枕草子 (My Favorite Things)
【第212回】 PNASと城山動物園とコインロッカーと(1999年12月24日)
- 結局大掃除の後は更新する暇がなかったが,メモとしては,やはりプリオンのネタであろう。PNAS(米科学アカデミー紀要)の最新号に載った論文で,新聞記事などでは「ウシのBSEがヒトに移ってCJDを引き起こすことが証明された」と言及されていたが,遺伝子組換えマウスでの結果だから,the most compelling evidence(もっとも魅力的な強い証拠)であるに過ぎない。一般の人にとって,この違いはどうでもいいことかもしれないが,本質的には大きな違いと思う。同じ号に載っていた,テル・アヴィヴ大学物理・天文学部のMark Ya. Azbelによる,「生存と進化の経験則」と題された論文は魅力的だ。ヒトと蠅の生命表を使って,「生物全般に生涯の生存曲線は乳児死亡率q0によって決定される」という経験則を示し,最大平均世代間隔あるいは最大平均分裂時間と全細胞数,基礎代謝との関係を論じた気宇壮大なものである(まだ読んでいないので,もしかしたら誤解があるかもしれぬ)。しかし,やはりPNASには面白い論文が多い。来年はぼくも投稿したいものだ。(まあ,投稿するだけだったら誰でもできるんだけど…)
- 昨日は城山公園に遊びに行った。さすがに城山公園のトイレは封鎖されていなかったが,動物園のトイレの方が便座が暖かいので娘が気に入っていて,帰る前に動物園によった。ちょうどカリフォルニアアシカの給餌の時間で,一頭だけ残った雄のムサシが,白く煙る息を吹き上げながら右に左に魚を求めて泳ぎ回り,その巨体を素早く翻す様子はなかなか壮観だった。サル山のニホンザルたちもなぜだか興奮していて,歌うような祈るような声を盛んに上げていた。ちなみに城山動物園は12月29日から1月3日まで休園とのことなので,おそらくこの日が年内最後の訪問となるだろうと思われた。
- 今夜から友人G氏の山小屋に泊まりに行くので,今朝は大きなザックと子ども用のソリを長野駅のコインロッカーに入れてきた。500円のコインロッカーは高さ86cm,奥行き55cmまでは入るのは良いのだが,100円玉しか使えないのが誤算だった。せっかく6:38に長野駅についたのに,コインロッカーのところで手間取ったため,6:43のあさまには乗れず,7:02発のあさま550に乗っている現在である。安中榛名と熊谷にも停まるという珍しい電車なので,乗っている時間が長いのである。ちなみに,長野駅東口には600円のコインロッカーというのもあって,これだと1メートルを超える長さのものまで入るのが凄いと思う。もっとも,1メートル少々ではスキー板などは入らないから,何を入れるのかという疑問は,ちょっとある。
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