枕草子 (My Favorite Things)
【第469回】 1ヶ月定期の粗品は入浴剤(2001年1月17日)
- 昨日で定期が切れたので,今朝は定期券を買わねばならないのだった。2月中旬から調査に出る予定なので,今回は1ヶ月定期を買うことにした。このところ,約47万円の3ヶ月定期を長野駅で買うと,粗品として工具類(精密ドライバーセットとか,先端部分を付け替えできるラチェットドライバーセットとか)が貰えたのだが,今回は入浴剤詰め合わせだった。1ヶ月定期のせいか,それとも窓口が混んでいたせいか(20人以上並んでいて,8:10に着いたのに買い終えたのは8:30だった),それとも粗品を選ぶ担当者が変わったのか? まあ,いずれにせよ工具の方が嬉しいことは確かだ。ちょっと電車やバスに乗れば本物の温泉に行ける長野市民に対して,入浴剤詰め合わせというのは,あまりセンスがいいプレゼントとは言えないだろう。一層の工夫を望みたい。
- それにしても,雪道を自転車で行くのは辛いものがある。とくに,自動車が通る部分だけは除雪されているのだが,その分の雪が自転車が通るべき路肩部分に溜まっているので,その雪が凍って固まった,まるで砂利道のような凸凹路面の上をガタガタと漕がねばならないのが辛い。大変に疲れるのである。早晩パンクしそうな気もするが,それ以前に転んで怪我をしそうな気もする。とくに,凍った雪の上にうっすらと新しい粉雪が舞い落ちているような時は最悪である。ブレーキをかけたり進路を変えたりすると,ロックしたような状態になって車輪が横滑りし,咄嗟に足をついて踏ん張らないと転んでしまうのだ。今朝がちょうどその状態だったので,8:37発あさま506号の車内で疲れ果てているところである。
- 佐久平を過ぎたあたりで気を取り直して,共著論文の修正意見を書き始めた。終わらないままに研究室に来て,文献探しなども平行して手を打ちながら,昼飯前に何とか終了した。もちろん,まだ1st draftだが,先が見えてきた気がして嬉しい。メールを見たらPNASの目次が届いていた。今週号には生態学関係の論文は載っていなかったが,進化のセクションで,最近新聞でも話題になったオーストラリア人の祖先についての論文が目に付いた。著者の中にAlan Thorneがいたから,もちろん現生人類の多地域進化説を支持する内容である。オーストラリアで6万年前に生きていた「解剖学的に現生人類と同じ」人のミトコンドリアDNAが,現代に生きている人のDNAとしては既に11番染色体に核ゲノムの一部として挿入された配列として世界中に見られるものとしてのみ存続しているという事実は,現代のミトコンドリアDNAを元にして構築された系統樹が示すアフリカ単一起源説の不完全性を示すものだ。ミトコンドリアというやつは,当初思われていたよりも遥かにダイナミックなものなのだな。
- 午後は論文を書いたり,昨日公開したプログラムのドキュメントを日本語でも英語でも整備したり(アーカイヴも更新済み),その他雑用諸々。帰りは終電。最近は4号車なら座れることが続いている。相変わらず凍った雪道なので時折押しながら,自転車を強引に漕ぐので疲れ果てて辿り着いた自宅に,来年度非常勤講師の時間割と雇用条件が届いていた。
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