枕草子 (My Favorite Things)
【第616回】 観音山(2001年8月11日)
- 昨夜は予定通り20:38発の新幹線で帰ったのだが,朝まで体調不良は尾を引いた。しかも朝方,右足が攣った。午前中ゆっくりしていたら,なんとか回復したので,午後,娘を保育園に迎えに行ってから,一緒にエビ採りをしようと言って田子池に向かった。去年の夏はヒシを1株拾ってきたのだが,水草も買ってきてきちんと60 cmガラス水槽をセットアップしてしまった今となっては,ヒシよりもエビとかドジョウとか貝のような底棲の生物がターゲットであった。
- 田子池について,しばらく網で岸辺をごそごそ漁ったが,ヒシのとげとげした実がついてくるばかりで,底棲の生物は全然採れないのだった。これがブラックバスのせいだとすると,フナを釣ろうと思っても,難しいかもしれない。娘も小さな網で水中をかき回していたのだが,やたらについてくるヒシの実にやがて嫌気がさし,そこらに落ちている木の枝で水中に沈んでいる流木を拾い上げたり,岸辺を飛んでいるシジミチョウを追っかけたりする方に関心が移った。ぼくもヒシの実が鬱陶しくてエビ採りは断念し,クワガタムシでもいないかと岸辺のクリやクヌギの木の周りを見てみたが,トンボとバッタがたくさんいるばかりで,甲虫は影さえ見えなかった。田子池の西側は,ほんの少しクリやクヌギも生えているのだが,ほとんどが植林されたと思しき針葉樹なので,昆虫も少ないのだろうと思われた。
- 30分くらいで流木やシジミチョウには飽きたので,25000分の1の地図を広げて近くに広葉樹林はないかと探したら,幸いにも田子池の東南側に道路を隔ててすぐのところに丘があって,広葉樹林のマークが載っていた。さっそく行ってみると,丘の下の道路沿いに「観音山」という立て札が見え,あがっていく道路が整備されていたので,自転車を押して上がっていった。1分もかからずに頂上の広場に出た。ここは緑の草が毛足の長い絨毯のように生えていて,バッタが飛び跳ね,そのまわりにベンチやらブランコがあって,ちょっとした公園のようになっているのだった。娘は大喜びで動き回っていたが,落ち着いてみると,ここには生き物もたくさんいるのだった。バッタは言うに及ばず,周りの木から落ちたのだろうか,ピカピカひかるアオカナブンが地面を這いまわっていたり,アマガエルがぴょんぴょん跳ねていたり,草の間に絡まったアブラゼミがもがいていたりして,娘の目も輝くのであった。もっとも,広葉樹林の中につけられた遊歩道を歩いてみても,アマガエルとセミの抜け殻には嫌というほど会えたが,大型甲虫類には出会えなかった。やはりこのくらいの小さな森だと,孤立していてはカブトムシやクワガタムシは繁殖できないのだろう。とはいえ,観音山は,子どもを遊ばせるのにはいい場所だ。また1つ遊び場リストが増えた。
- で,肝心の底棲生物なのだが,帰り道に水草を買ったペットショップの前を通ったので,ヤマトヌマエビを10匹とイシマキガイを2匹買ってしまった。決して最初からそれを狙っていたわけではない,なんて海釣りに行ってボウズだった帰りに魚屋に寄るコメディ漫画に登場するオヤジの言い訳みたいだな。
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