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個別メモ
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【第469回】 混迷(2006年1月26日)
- 6:30起床だが往路512号。昨日と同じ。ソロモン諸島からメールをいただいたが,やはり状況がよくわからない。混迷が深まったといえようか。
- 三中さんが,今日のdagboekで書かれている通り,メーリングリストの資産は過去の論議の「蓄積」にあると思う。環境自由大学・青空メーリングリスト(以下青空MLと略す)にもevolveの生長量が少ない3つの理由が当てはまるのだけれども,青空MLの場合,もう1つ理由を挙げるならば,新しい問題が起こっても,それが過去のどこかの時点で深く論じられていて,昔から参加しているメンバーは,ああ,またあれか,って気持ちになりがちなところがあると思う。この第4の理由については,青空MLの場合は過去の論議のアーカイヴはweb上で完全公開(ごく一部の削除されたものを除いて)されているので,環境問題のキーワードを何か検索して見られると納得していただけるだろう。当初の計画では,検索してアーカイヴを確認するのも大変だし,適切なキーワードが既知でないと検索しにくいから,過去の議論のまとめや用語解説というページを管理人グループで作っていたのだが,なかなか大変な労力がかかるので維持できなくなってしまったのも,生長量が下がってしまった原因かもしれない。もちろん,メディア特性もあって,やっぱりメーリングリストというのは少年野球の監督・コーチみたいに,少人数で具体的な相談をするのに向いているメディアなのかもしれないが。だとすると,萌芽研究は通らないんだろうな。
- 枝廣淳子さんのメールマガジンで触れられていた,1月16日のIndependet紙にJames Lovelockが「温暖化対策は手遅れ」と寄稿し(原文へのリンク。この記事自体は近く発売される"The Revenge of Gaia"の宣伝という感じだ),いろいろ議論になっているという話だが,Googleで"The Revenge of Gaia"を検索してみると,「温暖化いろいろ」というサイトでの紹介記事が見つかり,そこから「南十字星通信」というblogの記事も見つかって,どういう議論になっているのかが少しわかった。けれども,上記の誰も不審に思わないらしいのだが,「今世紀中に数十億人が死に」(before this century is over billions of us will die)ってのは,温暖化と関係なく当然起こることで,わざわざ書く意味がわからない。現在の地球人口は六十数億人いて,その大半はあと94年も経てば死ぬに決まっている。とりあえず"The Revenge of Gaia"はAmazonで予約注文してみたが,どういう内容なんだろうか。Lovelockの記事ではわからないのが,地球をsuperecosystemとみて(Gaiaというのはレトリックだと思うので,普通の科学用語でいえばsuperecosystemであろう),温暖化に本当にcritical pointがあって,本当にそこを超えてしまったのかどうか,それをどうやって明らかにしたのか,というところだ。システムモデリングして大規模なシミュレーションでもしないと解は出てこないと思うが,数年前にIPCCの仕事で故・森田恒幸さんが4つのシナリオでモデリングした結果では,まだ軟着陸可能なシナリオはありうるといっていたと記憶しているので,何か新事実でも明らかになったのか,それとも新しいモデルを立てたのか。まあ読んでみてからだな(いつ読めるのかわからんが)。
- 課題レポートの採点をしていると,「同じ間違い」をキーにして共有派生形質の継承を検出できるな。系統樹が作れるかも……なんて言っている場合ではなくて,これをどう評価するのかが問題だ。他人のを写すことは禁止しているので,出席のみという扱いにしてもいいようにも思うが,単なる伝播する誤解なのだとすると気の毒にも思うし,ぼくの説明が悪くて誤解してしまったのだとすると減点してはいけないことになるし。しかし正しくできている学生もたくさんいて,しかもそちらの方が共通性は低い(つまり自分で考えて答えていると思われる)ことからすると,説明の悪さによる誤解ということはなさそうに思われる。どうしたものか。
- GLOVIAは相変わらず調子が不安定だが,Mozilla FirefoxでやるよりはInternet Explorerでやる方が若干マシなようだ。
- Yatesの補正の話だが,ふと思い立ってEpiInfoのSTATCALC.EXE(コンソールアプリなのでコマンドプロンプトでUSと打って英語モードにしてからでないとうまく実行できないことに注意)で実行してみたら,Rのchisq.testと同じ結果になった。もっとも,補正しない結果も同時に表示してくれるが。でもやっぱり,fisher.testではp-value=1なんだし,「補正」が正確な確率に近づけることを意図しているのだとすれば,1になるべきと思う(せめて,補正しない,まで)。Yatesの論文通りだからこれでいいのだ,なんていうRipley大先生を説得するには,「Yatesの」って言わないことにすればいい? たんにcontinuity correctionとすると。でもやはりそれを明記した英語文献が欲しい。このネタのソフト比較の部分をComputer Methods and Programs in Biomedicineにでも出していただけるとありがたいのだが。
- KX-HV210の後継として使うにはWX300Kが割と良さそうなので決めかけたのだが,スケジューラが無いという欠点が辛いのと,春にパナソニックがPHSの世界に復帰? という噂を目にしたので,とりあえずソロモンから帰ってくるまでは耐えてみる。
- いつの間にか20:30だが,採点がやっと今週の分を残すだけになった。しかし今週のは回答のバリエーションが多いので,まず分類してから評価を決めないと大変そうだ。後でやろう。GLOVIA仕事を終わらせたら帰ろう。
- GLOVIAの処理が一応終わったら21:00を過ぎている。これは下手をすると終電か? と思ったが,21:48新前橋発の吾妻線に乗ったら,21:58に高崎に着いて,ちょうど22:00高崎発軽井沢行きの551号に乗れた。素晴らしい。吾妻線の中ではアナウンスされないので知っていなくては乗り継げないが,これは軽井沢で10分ほど待つと,高崎に停まらない,あさま553号に接続しているのだ。終電あさま555号では長野電鉄が終わっているが,551+553号だと長野電鉄の終電1本前に乗れるので,この違いは大きい。
- 食事とか風呂とか妻との連絡いろいろとかで,就寝は1:30。
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