Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
いつものようにPHSのアラームで目が覚めた。5:55なのを確認してラジオをつけ,基礎英語Iが始まるぞと息子を起こす。もう1年近くなる年中行事となってしまって,いいかげん飽きているのだが,ヤツは相変わらず自分で起きる気配は見せない。このまま続けていると依存心のカタマリになりそうなので,いつかは止めねばならないのだが,まあ1年生の間はやってやるか,と諦める。そんな日常。
今日は娘も起きてきたので3人で朝食をとった。娘は筋肉痛がなくなったというので,室内ランニングを10分していたが,ぼくはまだ筋肉痛が抜けないのでつきあえなかった。我ながら情けないが仕方がない。今日も天気がいいので自転車で長野駅に向かい,往路あさま512号に乗った。今日は学生実習と学生の論文への対応があるかもしれないのと,某プロジェクトのコンピュータ構成を考えて発注するという仕事があると思うが,それ以外はミネルバプロジェクト原稿を仕上げ,統計の原稿のまとめに取り掛かり,さらに余裕があればオセアニア学会のためのデータ入力(!)をしようと思う。
書き忘れていたが,昨日,色川先生からメールをいただき,月曜に出た「論座」3月号に医学教育特集でフィリピン大学レイテ校の話が載っていることを教えていただいたので,高崎で乗り継ぐときに,くまざわ書店で買って行こう。
もう1つ書き忘れていたが,厚生労働大臣がまた失言ということについて。今回の発言の主旨は,平均値でみると独身者の「希望子供数」が2を超えているのにTFRが1.26というギャップや,9割の未婚者は結婚する意思をもっているのに男性では就業状況によって結婚意欲が異なり,就職できないから結婚できないという人がいる,といった現状は行政の責任だから対策が必要という点にあるとしか読めない。去年の9月に国立社会保障・人口問題研究所から発表された,第13回出生動向基本調査の独身者調査の結果を踏まえた発言に違いない(夫婦調査でも,予定子供数が理想子供数を下回るのは金銭的理由が大きいという結果が出ている)。健康日本21に代表されるように,近年の厚生行政は,本来なら行政がしかるべき対策をとらねばならないものを個人個人の責任に帰する傾向があったので,行政の責任を示した点ではむしろ評価できる内容だと思う。それを自分流にかみくだいて言おうとして「健全」という言葉をつい入れてしまい,突っ込まれる隙ができたのだろう。ちなみに,平均が1とか平均が0だったら集団として存続できないのは当然で,個人の多様性の話をしているのではなく,平均値の話をしているとすれば(素直に受け取ればそうに違いないんだが),平均希望子供数が2を超えているのを「健全」とすることは,本当は問題ないと思う。
政治的判断として言葉尻でも何でも攻撃するのが有効だという判断で攻める野党は,まあ政治的には正しいんだろうけれども,大人げないというか,コミュニケーションのダークサイドに堕ちていると思う(梅田・平野『ウェブ人間論』で読んでから「ダークサイドに堕ちている」という表現にはまってしまったのだが,これは便利な表現だ)。海堂尊『チーム・バチスタの栄光』に出てきた白鳥のアクティブ・フェーズ極意8「弱点は徹底的に攻める」であり,もっといえば最終極意でも出てこなかった反則技「わざと誤解してマッチポンプ攻め(ただし相手が弱い場合に限る)」という,昨今しばしば見られる手口ではあるが,やはりダークサイドと言わざるを得ない。もっとも,センター試験の問題でまで強行採決を繰り返すのは民主主義の精神に合致しないと書かれているのに,補正予算も強行採決で通してしまう現与党の強引なやり方はあまりにひどいから,野党がそこまで追い詰められているということなのかもしれない。ただ,今回の発言に関してだけいえば,「AはBである」という言明は「AでないものはBでない」ということはまったく意味しないので,冷静に考えればそんなにひどい発言ではない。しかし,日本社会においては,一度ダメなレッテルが貼られてしまうと色眼鏡で見られることが多いので(そのこと自体,あまり良いことではないと思うが),もっと慎重にすべきだったとは思う。まあ,それができるような人なら,最初の失言もなかったか。
朝日新聞の記事は,最初に発言主旨を正しく紹介しておきながら,たぶん元発言を読んでいないか文脈を取り違えた識者コメントを載せたり,与野党の政治的意図のある批判を載せたり,わけがわからない。何がやりたいんだか。
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