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個別メモ
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【第1303回】 朝から会議とか(2009年4月23日)
- 5:45起床。往路あさま506号。午前中の会議が県庁であるため,いつもより早い新幹線に乗った。佐久平までは東北楽天ゴールデンイーグルス田中将大投手の快投を讃えるニッカンスポーツ記事を読んでいたが,そこから高崎までは半ば眠っていた。春眠暁を覚えずというが,暑くも寒くもない今の季節はとても眠い。
- メールの読み書きだけやってから県庁へ。会議は意外に短く終わった。県庁地下の食堂でかつカレー大盛りを食べてから,珈琲問屋でタンザニアとコスタリカを買って研究室に戻ってきた。
- 統計処理ソフトウェアRについてのTipsにリンクを追加した。
- 斎藤成也さんのサイトの中にあったSHINKAのバックナンバーが消えてしまったようなので,フィールドワーク経験の中の1989年のGidraのリンク先を自サイト内に変えた。
- セミナーが18:20頃始まって,20:00頃までかかった。ラボ系の人が全員発表したから当然か。ラボミーティングは今後もこの形の方がいいかもという意見があり,今後検討することになった。
- 復路あさま553号。中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの:現場からのネット敗北宣言』光文社新書,ISBN 978-4-334-03502-0(Amazon | bk1 | e-hon)を読んだ。タイトルには「バカと暇人」とあるが,「バカ」はWeb2.0を担う「頭のいい人」に対置されているだけであって,力点は「暇人」の方にある。おそらく「ネットイナゴ」(Wikipedia)に該当すると思われる「暇人」が,如何にネットのトラフィックのマジョリティを占め,ブログやコメント可のニュースサイトの最大の顧客となりつつも質を落としているかを論じ,ネットなどその程度のものだから集合知とかWeb2.0みたいな期待をするのはやめようと主張している。内容的には昔からネットに触れてきた人には既知のことで,ことさら目新しい切り口というわけではないが,梅田望夫的な希望的ネット論へのアンチテーゼだから仕方ないのか。ネット人口が少なかった頃は,ネットのトラフィックのマジョリティは技術に長けた"hacker"でもある「廢人」(と日経mixで呼ばれていた人々)によって占められていたのが,ADSLを中心とする常時接続と携帯電話での手軽な接続の普及に伴って,「暇人」に取って代わられたというわけだ。「バカ」も含めて具体例が豊富にあげられており,実用的な対処法が列挙されている点が本書の売りだと思う。しかし,ネットのマジョリティが「バカ」と「暇人」だから,受けるネタが,(1)話題にしたい部分があるもの,突っ込みどころがあるもの,(2)身近であるもの(含む,B級感があるもの),(3)非常に意見が鋭いもの,(4)テレビで一度紹介されているもの,テレビで人気があるもの,ヤフートピックスが選ぶもの,(5)モラルを問うもの,(6)芸能人関係のもの,(7)エロ,(8)美人,(9)時事性があるもの,という分析が正しいとしても,(3)以外のそればかりになってしまっては,それこそゴミを増やすだけだと思う。むしろ「暇人」にこそ,質の高い情報をわかりやすく受け取ってもらえたら,効率のよい生涯教育ができるのではなかろうか。逆に言えば,現状で暇つぶしに向いたコンテンツを迎合的に量産すること,つまりネットで商売をすることをやめてくれたら,「暇人」も他のコンテンツを探すしかなくなって,例えば菊池さんや天羽さんがニセ科学に対して鋭く批判している情報とか,川端が疫学の効用について発している情報に,より多くの人が触れてくれるんではなかろうか。あるいは,ニュースサイトが(3)に該当する情報をわかりやすく面白くリライトしてくれたらいいのかもしれないが。これは生涯教育というかメディアリテラシーを向上させるための方策だから,文部科学省の予算でサイエンスコミュニケータとコンテンツクリエータを雇って,(1)-(9)のオブラートに包んだ(3)の情報を発信するサイトを作ってくれたらいいのかもしれない。
- 知人から指摘があったので確認したところ,昨日と一昨日の表題に使った「山また山」というのは,長野高校の校歌の出だし部分だったそうだ。まったく知らなかった。長野高校の校歌の方はたぶん本物の山を指しているが,ぼくが書いた「山」は仕事が山積みになっているさまを表す比喩表現なので,指しているものはたぶん違うのだが。
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