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【第1399回】 曇り(2009年8月19日)
- 5:15起床。味噌汁とご飯とキュウリの浅漬けと,庭でとってきたオクラを細かく切って混ぜ込んだ納豆という,和風朝食を食べ,洗濯物を干してから出勤。往路あさま512号。上橋菜穂子『獣の奏者エリンIV完結編』講談社,ISBN 978-4-06-215633-2(Amazon | bk1 | e-hon)を読了。新幹線の座席で泣いてしまいそうで困った。核戦争のメタファーを感じた。危険なモノには蓋をして秘密にしておくのではなく,誰もが知るべきという,強いメッセージが伝わってきた。このことはリスクコミュニケーションの基本であり,それをこんなにも鮮烈な形で示してくれるこの小説は素晴らしい傑作だと思う。息子にも読ませねばなるまい(ヤツは目につくところに置いておけば放っておいても読みそうだが)。他にも研究者でなくては書けないなあと思わせるフレーズが多々あり,実に深い作品だった。
- 昨日届いた北関東医学の最新号は,J-STAGEでの公開はまだだが,巻頭の論文が公衆衛生の修士課程在籍中の院生が書いたものであった。これで「こころのチェックシート」が公開されることになったわけで,奥村さんのブログで紹介されていた,1時間でRのwebサービスを実装するには?を参照しながら試行錯誤すれば,個人用結果(レーダーチャートや棒グラフが描かれているもの)を自動的にpdfで返すhtmlフォームが作れそうな気がする。少なくとも技術的には。
- 同じく昨日届いた日本公衆衛生雑誌の最新号の巻頭に掲載された特別論文は,元WHOの尾身茂先生による「新型インフルエンザ:公衆衛生学的視点から」というものだった。文中,「基本再生産数(reproductive rate: R0)」のカッコ内はbasic reproduction number: R0だと思うし(稲葉寿編著『感染症の数理モデル』培風館,ISBN 978-4-563-01137-6(Amazon | bk1 | e-hon)を参照),12.なぜ日本では重症例が報告されないか? (中澤注:7月13日という執筆時点では重症例は皆無だった)に挙げられている理由3つだけでは考察不足ではないかと思うが,それ以上に,内容自体が新型インフルエンザ対策だけをターゲットにした論考であって,「公衆衛生学的視点から」というには狭いのが残念だった。
- 名古屋で多発性骨髄腫に罹患していた80代女性が新型インフルエンザで死亡,国内3例目というニュースだが,本当に死因が新型インフルエンザなのだろうか。仮にそうだとしても,やはりハイリスクの人が亡くなったということなので,ウイルスの毒性が高まったわけではないと思うが。
- オセアニア学会仕事を進めていたら,校正漏れを3つも見つけてしまった。これを発見できたのはMeCabのおかげだ。それはそれとして,1月に原稿を送っておいた某事典の改稿依頼が来てしまった。しかし編集コメントが入ったファイルではないものが間違って届いたので,その旨メール返信して,正しいファイルが届くまで待ち。
- 復路あさま545号。
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