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個別メモ
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【第1430回】 台風来〜台風一過(2009年10月8日)
- 5:10起床。一晩中風雨が激しかった。息子の高校は台風の影響で休校と昨日のうちに決まっていたのだが,娘の中学は朝の様子で決定するため,まだ不明。妻が非常勤で高崎まで行くけれども,webを見たら長野電鉄が止まっていることが判明したので,一緒に歩いて長野駅まで行くことにした。かなり風が強かったが,雨はそれほどでもなく無事に着いた。往路あさま506号。途中,メールをチェックしたら,娘の中学も休校になったことがわかった。まあ,長野は在来線が全部止まっているから仕方ないだろう。
- 群馬は本数を減らして運航していて,伊勢崎行き両毛線が予定より10分ほど遅れて出発した。前橋からバスは普通に動いていた。自分にはほとんど実害がなくてほっとした。
- 長野市長選に対する民主党の方針はおかしいと思っていたが,【駒ヶ根に想う】というブログの昨日の記事は炯眼だと思う。民主党が先の衆院選でマニフェストに挙げた,「天下りを防ぎ,無駄なダム建設を止める」ためには,民主党支持者であっても,長野市長選では民主党候補(天下り経験がある,元県職員)ではなく,元リッツカールトン日本支社長の高野登氏(このインタビュー記事は面白い。この人なら,複雑な経緯やしがらみでぐちゃぐちゃになっている浅川流域の偉い人たちをうまく納めてくれるかもしれないと感じさせる)に投票すべきと思った。浅川ダム工事の入札は始まってしまいそうだが,開札は市長選より後なので,これが最後のチャンスだろう。現職鷲沢氏は市民党なんて言っているが,少年スポーツへの助成なども減る一方だし,長野市少年野球大会の運営も年々ダメな方に向かっているから,市民のことなんか考えてないのは明らか。そもそも鷲沢氏こそが浅川ダム建設推進の首魁みたいなものだし。なんとか高野氏に勝ってほしい(できれば浅川ダムも争点に挙げてほしいが,長野市民の多くはもう浅川ダムの問題には嫌気がさしているから,よほどクリアな説明ができない限り,戦略的にはやらない方がいいかもしれない)。
- Vanuatuで大きな地震が2つ発生して,ソロモン諸島にも津波警報が出たそうだ。被害が大きくなければいいのだが心配だ。
- 神戸大学岩田健太郎先生の,臨床のプロでありつつも公衆衛生学的なセンスをもったコメントには常々感服しているのだが,感染症疫学については残念ながら十分には理解されていらっしゃらないようだ。Anderson and Mayでも読んでいただきたいところだが,とくに「感染症の疫学」紹介記事の最後の行はいただけない。明らかにギセックの本の記述を曲解(牽強付会?)されている。p.238にある数学モデルが流行の将来像の予測にあまり役立たないという記述を引いて,モデル全般にそうだと主張されているのだが,ギセックがここでモデルが将来予測に使えないと書いているのは,あくまで本が書かれた当時のvCJDについてだけのことだ。vCJDについては妥当なモデリングに必要な情報がほとんどなかったからこの記述は当然である。ギセックはモデル全般が予測に役立たないなどとは勿論書いていない。予測は外れることもあるけれども,系のふるまいがよくわかっている対象ならば,信頼区間つきの予測はかなり当たる。系のふるまいがあまりわかっていない場合でも,現時点でわかる限りの情報に基づいてモデルを立ててリスク評価をした上で判断する方が,リスク評価をしないであてずっぽうで動くよりもよいと思う。少なくとも,コンジョイント分析のオプションとしての予測を提示するには,多面的アウトカムを出力するシミュレーションモデル以外の妥当な手段はないし,よくわからない現象について対策しなくてはいけないという状況にあって,公衆衛生学的な最適分配を考えるには,コンジョイント分析は有効な手段だと思う。
- 昼前に台風は前橋を通り過ぎ,15:00頃にはすっかり台風一過の青空になった。なんて気持ちのいい秋晴れなんだろう。Amazonから,宮本英昭・橘 省吾・横山広美『鉄学:137億年の宇宙誌』岩波科学ライブラリー,ISBN 978-4-00-029561-1(Amazon | bk1 | e-hon)と,Millstone E, Lang T[著],大賀圭治[監訳],中山里美・高田直也[訳]『食料の世界地図[第2版]』丸善,ISBN 978-4-621-08120-4(Amazon | bk1 | e-hon)が届いた。タイトルからみてたぶん面白いだろうと見込んで買ったのだが,パラパラめくった感じだと期待に違わぬ出来だ。前者は,地質的な時間スケールで鉄を通観するという試み自体が面白い。自分でも鉄栄養と健康などという講義資料を作ったりしているわけだが,1.概論のところで本書を引用すると背景記述に広がりを出せそうだ。後者は"The Atlas of FOOD. Second Edition. WHO EATS WHAT, WHERE AND WHY"という本の訳だが,少しでも食とか環境に関心がある人なら(そして,霞を食べて生きているのでもない限り,誰もが関心をもつべきだと思うが),興味をもって読めると思うデータブックである。惜しむらくは表紙カバーに印刷されているサブタイトルが"WHO EATS WHAT, WHRER AND WHY"とミスタイプされていることか。
- 一木会は公衆衛生の院生による英語論文紹介と研究発表に続いて,医療情報部の酒巻教授により,『患者と作る医学の教科書』プロジェクトが紹介された。実に画期的な本だと思う。25の患者会から寄せられた,患者の視点に立った医学教育のテキストを編纂した労力は大変なものだったと思われるし,値段も医学のテキストとしては信じられないくらい安いし,これは買いだと思う。Amazonでは在庫がなかったので,bk1で注文した。酒巻教授によると,高校生でもわかるんじゃないかと思うくらいわかりやすい記述にしたということなので,届いたら息子にも読ませてみよう。
- 20:45過ぎに研究室を出て,久々に自転車に乗って新前橋へ。21:08発上野行きにちょうど間に合って,復路あさま549号。
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