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個別メモ
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【第1484回】 初積雪(2009年12月17日)
- 6:00起床。昨夜は疲れ過ぎていて寝付けなかったので,結局3時間睡眠だった。娘が歓声をあげているので外を見たら,庭が真っ白だった。たぶん,この冬の初積雪だと思う。食事の後,食器を洗って洗濯物を干してから出発したので,往路あさま512号。
- トンネルを抜けて上田に出たら,青空と明るい陽射しが降り注いでいた。それでもさすがに夜は降っていたようで,道路は濡れていたけれども,山1つでこれだけ天気が違うことには驚かされる。上田の人が羨ましい。
- 瀬名秀明著(鈴木康夫監修)『インフルエンザ21世紀』文春新書,ISBN 978-4-16-660733-4(Amazon | bk1 | e-hon)は,いきなり,「まえがき」で痺れた。夜の地球儀(欲しい!)によって地球上のヒトの営みのネットワークを想像しながらインフルエンザを考えるという導入は科学的好奇心をそそりつつも,優れて詩的で美しいイメージが浮かぶ。危機感を煽る本やウイルスそのものについての解説書やHow to本は多いのだが,これほど総合的に(いうなれば公衆衛生学に近い)立場で「インフルエンザ」という対象を捉えようとした本は,山本太郎『新型インフルエンザ 世界がふるえる日』岩波新書,ISBN 4-00-431035-0(Amazon | bk1)(ただし,山本太郎本の「新型」はH5N1高病原性鳥インフルエンザがヒトからヒトに感染する能力を備えた場合を想定している)以来で,かつ,そのパースペクティブは山本太郎本を凌駕してさえいるように感じる。その分,厚さも山本太郎本の倍くらいあるのだが,これを正味3ヶ月で仕上げられたとは凄すぎる。瀬名さんがサイエンスコミュニケータとして凄いのは,冒頭で発揮されている詩的表現力もさることながら,いわば構成力というか,横道に逸れそうなところや不要なディテールを捨象する力だと思う。短期間でこれだけ取材したら飽和しそうなものだが,うまく取捨選択して,すっと頭に入ってくるストーリーを作り上げていることに感心した(まだ読んでいる途中だが)。
- 軽井沢に近付くと,再び窓外が真っ白な世界になってきた。家の周りには積もってほしくないのだけれど,スキー場には積もってほしいと思ってしまうのだから,ぼくは何て勝手なヤツなんだろう。いや,もっとも,軽井沢までスキーをしに来ることは,まずありえないんだけれども(この数年は,毎年3回くらいスキーをしているんだが,志賀高原1回,戸隠2回というのが通例で,それで十分なので,そこより外にスキーをしに行きたいとはあまり思わない)。それでも,地面やプラットホームは白いのだけれど,軽井沢上空も明るい陽射しがまぶしいほどだった。こういう日にスキーをすると日焼けするんだよなあ。
- 群馬は晴れ渡っているが,体力温存のため新前橋からバスに乗り,群大病院まで眠って行った。
- 昼飯を挟んでセミナー準備を一応終わらせたのは15:00前頃だったか。結局,先日触れたJAMAの論文を紹介することにした。RCTにおける非劣性試験(Non-inferiority test)の考え方は面白いのだけれども,先行研究を検索しているときにどこかで見た批判の通り,どこまでの差ならば劣っていないとして受け入れるという基準値の決め方が曖昧なところが弱点かと思う。あと,この検定をするために必要なサンプルサイズの計算が,どうしても本文と微妙に合わないのが困った。Christensen E (2007) J. Hepatol., 46: 947-954.の説明がとてもわかりやすかったのだが,そこで説明されている式を使うと,JAMAの論文に書かれているサンプルサイズ計算部分の後半とはぴったり合うのだが,前半と合わないのだ。この論文のキモは,看護師が発熱している呼吸器系患者のケアをするときに着用するのが普通のサージカルマスクでもN95レスピレータに比べて9%以上は防御効果が劣っていないという点にあるわけだが,同じ割合だったらサンプルサイズが小さい方が信頼区間は広くなるはずで,下限がマイナス9%を下回る可能性も増えるはずだから,「サンプルサイズが足りなかったんじゃないか」という批判を免れることができる(2群間で有意差がないというだけでは,サンプルサイズが小さくて差を検出できなかっただけという可能性を否定できない。もちろん,power.prop.test()で,予想される差を検出するのに必要なサンプルサイズを計算することはできるが,通常それはきわめて大きい値になる)。
- その後は2時間ほどかけてY君への返事書きと人口学会仕事を終わらせた。
- セミナーが無事に終わったので,今度は来週の人口学講義の準備をしなくては。火曜の講義資料の推敲も残っているんだが,別に急いでwebに載せなくてもいいと思うので,それは冬休みにするか。
- 復路あさま549号。高崎での乗り継ぎ待ちの間にLABI1の4階に行って,MISIAの"JUST BALLADE"の初回限定版(Type A)を買った。JINのエンディングテーマを含むバラード集らしいので,これから暫くWillcom 03で聴く通勤音楽はこれにしよう。
- 長野に着くと雪は影も形も残っていなかったので,普通に自転車で帰れた。
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