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【第1637回】 採点続きとソロモン諸島調査書類追加(2010年7月14日)
- 5:30起床。数日振りに味噌汁を作って食べた。具はタマネギとジャガイモと油揚げのつもりだったが,仕上げに妻が細ネギを切って振りかけてくれたので味が引き締まった。その後,昨日届いていた回覧をセットして隣家に届け,小雨だったが自転車で出発。往路あさま510号では高崎直前まで熟睡してしまった。
- 両毛線で人身事故があったとかでダイヤが乱れていたが,上越線渋川行きはそれほど大きな遅れにはならず助かった。新前橋から自転車で大学へ。
- コンピュータをネットワークにつなぐと5件のMicrosoft Updateがあった。主にOffice2007関係のようだった。今回は再起動を要求されなくてよかった。採点の続きもあるのだけれども,ソロモン諸島関係調査書類の追加分(昨日メールで突然要求されたもので,"not later than 15 July"にメール送信が必要)もあるので,その2つを今日中に終わらせたい。
- ソロモン諸島の方の書類は,既に提出してあるものに書いたつもりの内容を書き足せという要求だったので,何が足りないのかわからないため,その説明を求めるメールを打ってみた。
- PNASのeTocにあったHas biology disproved free will and moral responsibility?というLettterが目にとまったので,コメント先の論文を見たら,Open Access Articleで,The Lucretian swerve: The biological basis of human behavior and the criminal justice system.(リンク先はabstractだが,そこからリンクを辿れば全文読める)という,2月にオンライン公開されたものだった。なぜ当時は目に留まらなかったのかというと,たぶんソロモン諸島で調査中だったのかもしれないが,eTocを見ていたとしても,タイトル最初の固有名詞がわからないので,関心をもてなかったのかもしれない。Lucretianというのは,webで調べてみるとTitus Lucretius Carusというローマ時代の詩人にして哲学者で,『物の本質について』という叙事詩が唯一の作品として伝わっている他は謎に包まれた人の考え方のことだった。寺田寅彦が『ルクレチウスと科学』という随筆(リンク先は青空文庫所収の本文)で取り上げていることも知らなかったが,昼食を食べながらざっと目を通してみたら,なかなか面白いことを言った人だったようだ(まあ,ルクレチウスの著作自体は読んでいないが,少なくとも寺田寅彦の随筆は面白い)。それで,話を戻すと,"Lucretian swerve"というのは,たぶんカントの言った「コペルニクス的転回」を踏まえているので,「ルクレチウス的転回」と訳すのがいいと思う。つまり,ペンシルヴェニア大学の生物学者である著者Cashmoreの主張は,法的正義のシステムは自由意思(free will)に基盤をおいているけれども,実は自由意思(の存在)を信じることは,生物学者が何百年も前に否定した生気論(vitalism)を信じ続けていることに他ならないので,そんなところに基盤をおく法体系は変えるべきだ,ということだと思う。たしかに一理あるのだけれども,自分自身の自由意思を否定したくない気持ちが湧いてくるのも確かで,今日のLetterの著者がいう,いくつかの説明力の高い観察事実はあるけれども,共変量であることは因果関係を意味するとは限らないので(疫学では常識なので,Cashmoreもそんなことはわかっていると思うが),自由意思が存在しないとは言い切れないのでは? という見解に与したい気もする。なお,寺田寅彦の随筆のポイントは,ルクレチウスの著作の内容自体を紹介している後半(寺田寅彦によると,ルクレチウスは自由意思の存在を無条件に容認すると同時に,すべての「元子」が何らかの確定的な法則に支配されているとすると全ての世界の現象は予定的に進行するのみであって「自由」な意思が存在する余地がないことを両立させるために,物質を構成するすべての「元子」に意思の根源を付与し,物質外のものとして個体レベルに付与される自由意思の存在は否定した)以上に,科学の営為にとってルクレチウスの著作から「考え」をもった科学者がインスピレーションを得られることが重要であって,その意味で,科学の礎を築いた先人として,アリストテレスやピタゴラスよりもルクレチウスの方が相応しいと論じた前半にあると思う。また,「後記」にあった,科学者をLSK空間に配置するアイディアも面白かった。
- htmlメールは表示しない設定にしているけれども,Microsoft Security Essentialsがトロイの木馬を引っかけてくれた。某有名企業内のアドレスを騙って届いていたSPAMメールに添付されていたファイル"Urgent Assistance.html"がトロイの木馬を含んでいたようだ。
- R-develメーリングリストで,Rcmdrやsemの開発者であるProf. John Foxが,数年振りにWindows版Rの独自インストーラ(よく中間さんが言うところの「野良ビルド」ではなくて,インストーラのみ)を作ろうと思ったらエラーが出てうまくいかないんで,誰かコメントください,という問いかけをしたのに対して,R教授の返事があって,何をしたのかはっきりしないけど,ともかくまずMkRulesファイルを作らなくちゃうまくいかないんで,といって,サクッと4行スクリプトを示された(R-2.12.0ではソースからの全ビルドが必要になるそうだが)。まあ,よくあるやり取りなんだけれども,Prof. John Foxがどうして独自インストーラを作ろうと思ったのかが気になる。Rcmdrのインストールで依存パッケージが多くなりすぎて途中で止まってしまうことが多いので,全部入りのインストーラを作ろうというのだったら嬉しい……などと希望的観測をしてしまう。もしそうだったら,InnoSetupもUNICODE版じゃない方を使っていただけると,インストール時の日本語メッセージ文字化けもなくなるはずなので,日本人向けには公式インストーラよりもお薦めということになるかも。妄想しすぎか。
- まだ採点は終わらないのだが20:30なので帰ろうかと思っている。
- 21:00近くなって基礎棟の外に出たら,雨がひどくて自転車は諦めざるを得なかった。いつ閉店するのか知らないが閉店セール中のSATYで握り飯を買い,5分遅れで来たバスに乗って前橋へ。10分待ちで両毛線に乗り,高崎でも10分待ちで,復路あさま553号。長野側はたまたま雨が止んでいるタイミングだったので自転車で帰れてラッキーだった。
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