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個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1832回】 年度末(2011年3月31日)
- 関西方面で行われているリトルシニアの全国大会で,長野東シニアが昨日の3回戦で惜しくも敗退。少年野球時代に娘と同じチームにいた少年が2人いるし,その2人も含めて娘と同じ中学の子供が何人もいるので(この中学には軟式野球部がないので,野球をやりたい子供は他の部活とかけもちにして軟式のクラブチームに入るか,野球に専念してリトルシニアのチームに入るかを選んでいるようだ)陰ながら応援していたが,残念だった。とはいえ,相手の世田谷西は強豪チームだし,全国大会で2回も勝ってベスト16は快挙だと思う。お疲れ様。
- 今日は3月31日。震災被災者の方はそれどころではないだろうが,年度末である。明日から新年度なので,いろいろと動き出さなくてはいけない。町内会の平成22年度の隣組長としてのたぶん最後の仕事になるであろう配布物を済ませてから出勤。今日も暖かいため,東京電力は電力需要が伸びないだろうと見込んで計画停電中止を発表した(昨日のうちに)ので,群馬大学昭和キャンパスもたぶん停電しないだろう。果たして10:30頃に館内放送が入り,今日も停電しないことがわかった。これで選択実習を予定通りにできる。
- 選択実習は4章の最後の方から始まり,7章まで終わった。このペースでは終わらないので,金曜にもっとペースを上げねばならない。4章は研究デザインのところで,case-cohort研究という適用条件は限定されるけれども効率がいい分析法の説明の後,コホート研究と症例対照研究の比較をして長所短所をそれぞれまとめた表がでてきて終わり。間に合わないので問題を全部解いてもらうのはやめ,1人1問ずつ選んで解いてもらうことにしたが,それでも時間はかかる。5章は偶然誤差と系統誤差(バイアス)の話で,6章は信頼区間とp値と有意性検定では信頼区間がもっともinformativeで,何%信頼区間だろうと背後のp値関数を考えて結果を解釈せよという話,7章は交絡を考えなくても良い場合の単純な信頼区間やp値の計算方法の説明であり,比較的すんなり終わったのだが,それでも3時間ほどかかった。5章と6章の内容を理解すれば,1つだけの測定値が信頼できないことは当然に思えるはずだ(もちろん,円周率とかネピア定数のような,定義と公理に基づいて演繹的に導ける数値は1つだけに決まっているが,観察や測定に基づくすべての値には誤差がある)。メディア発表でヨウ素131などの放射能測定値が1つのサンプルに対して1つの数値しか示されていないのは変な話で,普通は,微量元素の測定ではtriplicate(同じサンプルを3回測る)して大きく違わないか(その測定系自体が不安定でないか)をチェックし,CV(変動係数のことで,不偏でない標準偏差を平均値で割って100をかけた値として%で表記するが,当然のことながら最高が100というわけではないので,ややミスリーディングな指標かもしれない)を表示することによって測定精度を表し,標準物質の測定値がCertified Range(標準物質を調製した公的機関,例えばNISTとかが,この物質の濃度はこの範囲に入っていることを保証します,という範囲。標準物質の濃度は完全に一様になっているわけではないし,偶然のばらつきを完全に排除することはできないので,1つの値ではなく,必ず範囲になっている)に入っていることを確認して測定の正確さ(英語で言うとaccuracyのことで,真値からの系統的なズレがないことを示す)を表すはずだし(プルトニウムの場合も確認しているとは思うが,どうやっているんだろう?),測定の検出限界が示されていないのもおかしいと思う。東京電力が発表したプルトニウムの測定値は,さすがに平均値±標準偏差という形になっていた(のでCVは計算できる)が,各点何サンプルの測定なのかが明示されていないのは惜しいところだった。疫学の勉強は意地が悪い考え方をするだけのように思えてしまうかもしれないが,逆から見れば騙されない考え方を身につけることになるので,医学科の新6年生にとって,ここで学んでおくことは有益なはずだ。
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