東京大学 | 大学院医学系研究科 | 国際保健学専攻 | 人類生態学教室TOP | 2nd
社会調査第5回
「文献資料の収集と整理」(2001年5月17日)
トップ | 更新情報 | 研究と教育 | 業績 | 計算機 | 写真 | 枕草子 | 著者 | 目安箱 | 書評 | 社会調査
最終更新:
2001年7月26日 木曜日 18時26分
講義概要
- 文献資料収集方法のいろいろ
- ●人に聞く:いいKey Informantを見つければ芋蔓式に情報が得られることもある。
- ●レビュー論文を読む:定評のあるレビュージャーナル(Annual Reviews of Anthropologyなど)に掲載されている論文なら,その分野の研究に対して専門家が与えている評価がわかる点が他では得難い利点。
- ●文献検索をする〜データベース検索
- ●新聞記事
- ●インターネット検索:かつてはWEBに限らず,gopherやWAISでのみ提供される情報もあったが,最近はほぼどんな情報でもWEB経由で得られるようになってきたので,ここではWEBのみ扱う。
- 資料整理の方法
- ●切抜き
- ●コピー
- ●テキストデータベース:お薦め。データベースソフトを使わなくても,テキストエディタで十分。ただし,テキストあるいは画像とともに,キーワード,情報源情報,日付を入力しておく必要がある。こうしておくと,研究計画の立案段階でも,結果を分析し考察するときでも,常に簡単に参照することが可能である。
- (補足)テキストデータベース的な使い方をするなら,「知子の情報」というソフトも優れていると思う。出力形式の統一などまで含めて考えるなら,文献データベース専用のソフトを使う方法もある。MacintoshではEnd Note Plusという優れたソフトがあるが,Windows版はあまり使い勝手がよくないようである。Windows環境のソフトとしては,Ref for Windowsというものがある(以前はフリーソフトだったが,現在はシェアウェア)。報告書をTeXで作成するなら,多少スキルは必要だがBiBTeXを使うと便利である。
- 本を探す
- ●図書館〜文献目録,リファレンスサービス
- ●NACSIS WebCat:国立情報学研究所の国内文献所在情報データベース
- ●オンライン書店・和書
- ●オンライン書店・洋書
- データベース検索の例(Social Science Citation Indexでカラオケに関連する研究を検索する場合,講義では画像を表示)
- ●データベース,年次,検索タイプを選ぶ(SSCI,全年次,一般検索)
- ●検索語(または著者,文献名,著者の所属機関)を入力する前の画面
- ●TOPIC欄にkaraokeと入力してSEARCHボタンをクリックする
- ●karaokeを含む文献の一覧が表示される
- ●文献の1つの詳細情報が表示される
- 参考になるWEBサイト
- ●「市民のための情報収集法」宮内泰介さん(北海道大学)
フォロー
- 小テストはいつか?
- WEBページで予告してある通り,第8回(6月7日)の後半に質問項目を作る小テスト,第11回(6月28日)の後半に調査計画書を書く小テストを実施する予定です。
- ディレクトリ型検索エンジンとロボット型検索エンジンの違いがわからない
- ディレクトリ型はまず階層構造を決め,検索対象となるサイトをその階層構造のどこかに位置付けていくことで検索のデータベースを構築したもの。その代表がYahoo!です。ロボット型は階層構造というよりもロボットが集めてきた全文からキーワードを抽出し,分類することで検索のデータベースを構築したもので,gooやGoogleなどが代表例です。完璧なロボットを作って階層構造に位置付けながら勝手に分類してくれるようにすれば両者の区分に意味はなくなるのですが,現状ではディレクトリ型の方が良く整理されゴミ情報が少なく,ロボット型の方が新しい情報までカバーされ頻繁にアップデートされている傾向があります。最近はエージェント型の検索エンジンが開発され,データベースは独自に持たず,複数の他のロボット型あるいはディレクトリ型のデータベースにエージェント(と呼ばれるプログラム)が検索コマンドを送ることによって返ってくる情報をまとめて表示するものもあります。
- 自分でデータベースを作るときの注意点は?
- 授業でも触れましたが,データと一緒に情報源とキーワードと日付を必ず登録しておくことです。よほど大規模なデータベースでない限り,使うソフトウェアはテキストエディタで十分です。Windowsなら市販品ではWzエディタ,フリーソフトではK2Editorあるいは,xyzzyがお薦めです。