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個別メモ
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【第196回】 試験監督(2005年1月16日)
- 研究室で6:00に目が覚めた。外は真っ暗だが,雨が降っているようだ。昨夜前橋駅前のコンビニで買ったミニクリームパンを朝食代わりに食べたり,珈琲を作って水筒に詰めたりしながら講義資料の改訂を7:40までやったが,まだ終わらない。現状をプリントアウトして休み時間にチェックすることにし,7:55に研究室を出た。試験会場は前橋女子高校なのだが,8:00に借り上げバスが大学を出るので,皆それに乗っていくのだ。研究室のある建物からバスまで,100メートルもないと思うが,かなり傘が濡れた。それくらい強い雨だったということだ。
- 監督業務自体は,これまで何度もやってきたのと同じで,センター試験の場合は,喋ることまで一字一句決められているし,受験生の集中力を乱さない程度に歩き回りながら,不正がないか監視し,質問に答える,これだけである。まったく頭を使う必要が無い。歩き回ることは居眠り予防にもなるのだけれども,ともかく黙っていなければならない時間が長いので,ただボーっとしていると,睡魔に絡めとられそうになって危険なのだ(今回,睡魔に関していえば一番危なかったのはやはり昼食後で,眠りこそしなかったが,ちょっとよろけてしまった)。
- で,ボーっとしないように考えを巡らせているといろいろと妄想が膨らんで,ときには名案が浮かんだりもするのが例年のセンター試験監督なのだが,今年は講義資料のネタを考えていたらかなり時間がつぶせた(次の休み時間に,打ち出してきた紙にメモするのであって,監督中は考えていただけだから,決して怠業ではない)。そのため,講義ネタ以外には,受験生は問題に線を引いて読んでいるのだけれども,現在のところ鉛筆とシャーペンは机の上に置けるけれども三色ボールペンはたぶん駄目なので(許可品目としては書かれていないから),そのうち,斎藤孝に影響を受けて三色ボールペンを持ち込ませろという受験生が出てくるんじゃないか,とか,数学AのBASICは相変わらず汚いコードだし,何のためにあんな操作をしたいのか想像できない妙なプログラムだなあとか,現代社会のいくつかは不適切問題なんじゃないか(消去法で行けば選ばせたい答えはわかるけれども,厳密にいえば正解ではないと思われる答え。たとえば散布図2枚の読み取りの問題は,左側の図に正の相関がありそうで,右側の図に相関がないとは言えるけれども,選択肢に出ていたような捉え方は論理が飛躍している)とか,まあそういった雑多なことしか感じなかった。まあ,それでいいのだが,たぶん。
- 再び借り上げバスに乗って大学に戻ってきて,17:00過ぎに研究室に着いた。休み時間にチェックした原稿の訂正はかなり多いので,やってから帰ると遅くなりそうだなあと思っていたら,妻から電話があって買い物を頼まれたので,前橋駅前のイトーヨーカドーに寄ってから帰途に着く予定。
- 乗り継ぎが悪くて,復路あさま529号。今日の試験問題からすると(例えば毎日新聞のサイトとかで見ることができる),現代社会という科目は,どうやら環境問題とかメディアリテラシーとかリサーチリテラシーを扱っているようなので(そういえば,容器包装リサイクル法第四条の文言からすれば,第1問の問5も,厳密にいえば正解なしだと思う。消去法で考えれば他の選択肢よりはマシだから答えはわかるが。問6も(4)が誤りなのは確かだが,(3)も決して適当とは言えないように思う。リオの地球サミットが「環境保護に関する行動計画をまとめるために」開催されたという記述は正しいとはいえない。環境開発会議なのだから,sustainable development概念を抜きにして語るのはおかしいだろう,少なくとも「保護」じゃないだろう……等々,突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める),時間があったら学習指導要領をチェックしてみようと思うけれども,受験を目的とした高校の授業とかセンター試験には馴染みにくいような気がする(深く考えれば考えるほど,「これが正解です」的な試験はやりにくくなるし,どうやって何を教えたらいいのか悩んでしまいそうだ)。もちろん,高校の授業は受験を目的としたものばかりでなくて,社会人として必要な教養を身につけてもらうという意味では,「現代社会」が扱っている内容はとても重要なところをカバーしているのだが。
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