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個別メモ
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【第530回】 とりあえず送信(2006年4月26日)
- 5:30起床。原稿を打ったりメール受信したりしていたので,食事をして7:30出発し,往路あさま510号。
- 学生実習とか非常勤講師依頼とかの書類を作ったり,選択基礎医学実習の学生と話をしたり論文を検索したりしつつ,原稿を打ち,何とか完了。昼に送信することができた。
- 昨日書いた川端裕人の新作『銀河のワールドカップ』は,またもご恵贈いただいてしまった。いつもありがたいことだ。今日の復路新幹線で読み始めて,家に帰ってからも読み続けてしまいそうな予感。
- 昼に実習施設の選考をしてから,午後にも各種書類作りを続けつつ,電話で打ち合わせをしたり掲示を出したりメールを送ったりしていたら夜。既に20:00を過ぎている。
- 結局,復路あさま549号。川端裕人『銀河のワールドカップ』集英社,ISBN 4-08-774807-3(Amazon | bk1)を読み始めたら,案の定止まらなくなってしまい,家に帰ってからも読み続けて1:30頃読了。ぼくはサッカーって遊びくらいでしかやったことはないし,ワールドカップもあまり真剣に見たほうじゃなくて,どっちかっていうとWBCに燃えたクチなんだが,それでもなお,この物語に出てくる少年たちのサッカーっていいなあ,と思った。チームで一番下手な玲華でさえ,居場所と自分の生かし方を見出せてしまうのはサッカーゆえだろう(もちろん,コーチの方針も大きいわけだが)。こぼれ球を拾えば誰でもゴールを決められる可能性があるという意味では,サッカーの方が野球より優れている。野球はバッテリーでほぼ決まってしまうし,下手すぎると声だしとかバットボーイとかコーチャーくらいしか居場所がないし,実力差をひっくり返して勝つとか僅差といったことがほとんどない。川端が自身のブログでも何度か書いているし,本書中にも出てくるように,サッカーは実力差を縮小するようにできているので,この物語もあながち荒唐無稽ではないと思わせる。少年のチームが世界一のプロチームと対戦して互角に戦ってしまうなんて(もちろん変則ルールだが),野球では,漫画でさえ考えられない。それにしても,レアル・マドリードをモデルにしたと思しきチームだけが最初から仮名なので,最後は主人公たちの少年サッカーチームがそこと対戦するんだろうなあとは思ったが,こういう展開でもっていくとはね。これって何かに似ているなあと思ったら,あれだ,少林サッカーだな。元エースストライカーだったが落ちぶれているコーチと,物凄い才能をもった選手たちが,雑草的な立場から這い上がって頂点をつかむという点が似ている。あっちは少年じゃないし,あまりにも無茶苦茶な必殺技が炸裂するわけだが,素人からすると,こっちに書かれているプレーも神業に思える。実際,それに近いことをやってしまう選手たちがいるというのがサッカーなわけだが。読みおえて,少年サッカーを見てみたくなったし,ちょっとワールドカップを見たくなった。ジダン(本書のゼットンのモデル)のプレーも今度のワールドカップが最後になるらしいし。あと,印象的だったのは,三つ子の父親の数学者が(あるいはその学生が?)作ったというサッカー用のマルチエージェントシミュレーションソフト。あったらとても面白いと思うが,実際にコーディングしたりパラメータを決めるのは難しいだろう。ヒトは質点じゃないし。ヒトのモデルができないとできないよな。というわけで,とても面白い話だったわけだが,ワールドカップ前に売り出したかったために出版社が焦ったのか,2,3の誤植があった。重刷のときには訂正してほしいものである。
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