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個別メモ

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【第1320回】 教室セミナーとか(2009年5月14日)

日常
5:50起床。食事をしていくつかのwebサイトをチェックしてメールを受信して出発。往路あさま510号。
メーリングリストは終わったか
/.Jの記事で,「メーリングリスト、使ってる?が目を引いた。自分の関係しているMLでいうと,環境自由大学 青空メーリングリストはほとんど開店休業状態だが,某学会の内部連絡とか少年野球の連絡とか一木会の連絡とかの専用メーリングリストは役立っている。つまり,連絡手段の1つとしては優れているが,不特定多数の議論の場としてはもともと向いてなったのかもしれない。そのためにwebとの連携をしてきたわけで,昔はメールのアーカイブをwebで公開する(青空MLでもやっている)のが主流だったが,最近では,日本数理生物学会の運営委員会でやっているように掲示板に書き込むとMLにも同報されるという連携が主流になってきているように思う。だからといって青空MLを(パスワードをつけるとしても)掲示板への書き込みがMLにも流れるという形にしようとは思わないが。かつての青空MLの質の高い議論は人と時と場所が奇跡的に揃って生まれた天佑のようなものだったんだなあ,と自画自賛してみる。
エコポイント?
朝食中にテレビから流れていたニュースで,省エネ家電を買って「エコポイント」を貰うという話があったが,そういうインセンティブの引き出し方は邪道だと思う。とくに地デジ対応テレビなど,どこが「エコポイント」なのか? ネーミングに違和感を感じる。そもそもシステム全体として省エネになっていないじゃないか,と思って調べてみると,このキャンペーンはエコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業の実施についてで「経済危機対策において、地球温暖化対策の推進、経済の活性化及び地上デジタル放送対応テレビの普及を図るため」に環境省,経済産業省,総務省のJointで行われているもので,やっぱり地デジ対応テレビは省エネとは別枠らしい。なお,国会で補正予算が成立しないと実施されないそうだが,今朝のニュースでは1615日から実施が決まったという雰囲気であった。ということは,補正予算は通ったのだろうか。ちなみに,環境省はこれとは別に単独事業としてエコ・アクション・ポイントというキャンペーンをしていて,こちらは「家庭部門の温室効果ガスを削減するため、国民に身近で、わかりやすい形で、一人ひとりの取組を促すエコ・アクション・ポイント事業を推進」ということだ(当該ページに家電購入のエコポイントとは別ですよ,と大書してあって,さもありなんと思った)。随分前に高月紘さんたちがやっていた「エコポイント・チェック」(リンク先は随分前に作った,cgiでチェックできるようにしたページ)には,こちらの方が近い。こっちをエコポイントと呼ぶならまだ許せるが,家電購入の「エコポイント」は名前を変えて欲しい。高月さんは以前からマンガを描く方とは知っていたが,京エコロジーセンターのサイトでいくつも公開しているのだった。「大リサイクル社会」とか「日本人客」は優れていると思う。なお,この件についても/.Jにスレッドが立っていた。
日常2
昨日でコーヒー豆が尽きたので,新前橋から大学に向かう途中,珈琲問屋によって,キューバとジャマイカの豆を買ってきた。
「世論調査」批判
THE JOURNALの高野論説に,

マスコミの世論調査は、それなりに学問的に裏付けられた(と思われている)方法によって行われるけれども、そのサンプル数は数千程度にすぎない場合が多い上に回収率が低く、また別に答えたい訳でもなくその準備もない人にいきなり質問を浴びせて無理にでも答えさせるのであって、そこで採集できるのは言わば「受動的な世論」である。しかも、前稿でも述べたように、設問の表現や配列、質問前の説明の仕方、念押し・重ね聞きなどによる無理矢理の括り方等々によってマスコミにとって都合のいいようにバイアスをかけられやすい。そういうことが仮になかったとしても、しょせん世論調査が示すのは「賛成?%、反対?%」という“量”であって、例えば「小沢続投賛成」と言っても、それぞれの思いや微妙なニュアンスは一切反映されない

と書かれているのには大筋同感なのだが,マスコミの世論調査の大部分はいまやRandom Digit Dialing (RDD)なので,問題はサンプルサイズではなくて(数千のサンプルサイズがあれば,95%信頼区間は数パーセント以内に収まるはず),サンプリングの偏りである。これまでも何度か書いたように,忙しい人,昼間家にいない人,電話を持っていない人,が抜け落ちてしまう。一般母集団に比べると,RDDの対象者は,圧倒的に専業主婦,退職後の高齢者の割合が高く偏るはずであり,そういう人にメディアに操作されやすい人が多いであろうことを考えれば,RDDによる「世論調査」が自作自演になるのは自明だと思う。高野さんが暗に指摘している通り,RDDは「それなりに学問的に裏付けられた(と思われている)」だけであって,実は裏付けなどない(仮にあることになっているとしても学問的には信頼性が乏しい)。ちゃんとした教科書的な世論調査の方法論は別にあって,数年前までは新聞社でも行われていたのだ。なぜほとんど行われなくなったかといえば,たぶん大きな理由は4つある。第1にRDDという尤もらしく見える代替手法が出現したこと自体,第2にRDDの方が低コストだということ,第3にRDDの方が迅速にできるということ,第4に個人情報保護との関係で住民基本台帳などの利用が難しくなったので本当のランダムサンプリングがやりにくくなったこと,である。従って,タイムリーな目立つ見出しほど売れるというインセンティブが働くとRDDに流れやすいのは市場原理により当然であり,それが昨今の「世論調査」と称するものがRDDばかりになってきた原因だろう。この流れを逆転させたいのだが,何かいい手はないだろうか。キムタク主演のドラマとかで,RDDのダメさをアピールしてくれたりすれば有効かも? と思ったりするのだが。
物欲メモ
AAA乾電池8本で4時間動く200ドルPC。長期フィールド調査に最適かも。最近の調査は長くても2週間以内だから,Y5とスペアバッテリーがあれば事足りることが多いが。国内販売して欲しいなあ。
ポケットカルテ
どこカル.ネットポケットカルテで,病院,診療所,歯科診療所の検索ができるようになったそうだ。それは便利かもしれない。しかし,個人情報管理は大丈夫と書かれているが,パスワード管理だけでインターネットのオンラインで電子カルテを管理するというスタイルは,ちょっと不安が残るので,まだ様子見だな。ただし,このシステムがある程度普及すると,健康教育には革命的な変化が起こるかもしれないので要注目。
読書メモ
森枝卓志『日本の「伝統」食−本物の食材に出合う旅』角川SSC新書,ISBN 978-4-8275-5042-9(Amazon | bk1 | e-hon)を読みながら,とよだで昼食。やばい。涎が出そうだ。とくに,ごま油が凄そうだ。また,和三盆のサトウキビは品種からして違うとは知らなかった。
引きずっている仕事
詳しくは書けないが仕様の大枠がおかしい(と思う)のと,Javaで書かれた入力システムの出来が今ひとつなこともあって,ここ何日か引きずっている仕事がなかなか終わらないままにセミナーの時刻になってしまった。
セミナー
セミナーは博士号を取ったばかりのRizky君がJSPSのPDに申請する研究計画案を発表した。面白いけれども,2つのストーリーがまだつながっていなかった。そこがクリアできて,全体としてbeneficialであることが示せるようなデザインになれば,いけるんじゃないだろうか。
日常3
疲れたので19:30過ぎに研究室を出て,復路あさま545号。来週の講義は保健統計なので,毎年準備が必要で面倒。

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