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個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1916回】 人類生態研究会(2011年7月2日)
- 土曜は午前中に娘を病院に連れて行き,午後は人類生態研究会に行くために東京へ。4人のスピーカー(すべて人類生態学教室の同窓生)が50分ずつの持ち時間で発表と質疑応答があるのだが,最初のスピーカーは聞き逃したが2人目からは最後まで聞けて,それぞれ興味深かった。とくにアラブ世界は南太平洋とは全然違っていて,聞きたいことがたくさんあったのだが,時間切れだったので,後でメールを送ろう。
- 懇親会は出ずに上野駅まで歩き,復路あさま543号。
- 昨日の人口ピラミッドで見られた,都道府県別の人口構造の特徴を,もう少しわかりやすく見たいとしたら,たぶん二次元平面上に「ふくらみ指数」と何か別の人口構造係数の散布図を描いてみたらよかろう。ふくらみ指数とは,既に故人となられた黒田俊夫先生が1976年に書かれた『日本人口の転換構造』(古今書院)の中で提唱されている人口流入の指標で,15歳から34歳までの人口が比較的移動しやすいのに対して(都会への就職,地元に帰るUターン,地方にマイホームを買うIターンなど),比較的移動しないと考えられる5歳から14歳までと,35歳から44歳までの比をとって,%単位で示した値である。すなわち,ふくらみ指数=(15-34歳人口)/{(5-14歳人口)+(35-44歳人口)}×100である。100より大きければ人口が流入していて,100より小さければ人口が流出していると考えるものである。現在では高校卒業まではあまり移動しないと考えられるので,これを5歳上方シフトさせて,ふくらみ指数改=(20-39歳人口)/{(10-19歳人口)+(40-49歳人口)}×100と定義してみよう。この数字との関係をみたら面白いと思われるのは,移動できる可能性のある人口を提供する能力という意味で,年少人口構造係数,つまり15歳未満人口の総人口に占める割合が良かろう。これも%単位であらわすことにしたい。計算と描画のためのコードをrelations.Rに示すが,データと同じディレクトリで実行すると,自動的にpngファイルができあがる。他の道府県に比べ,東京都と沖縄県が特異点であることが一目瞭然であろう。また,長野県が男女とも年少人口構造係数が中程度なのに,ふくらみ指数改がきわめて低い値になっていて,大学が少ないために20代と30代人口が流出するが,その後で帰ってきたりIターン就農したりする人口が一定の水準で存在すると思われた。
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