Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
ぼくは、反省している。
20年間、チェルノブイリ原発事故で健康被害に遭った人たちとかかわり、原発の恐ろしさをよく知っているのにもかかわらず、原発をすぐに止めろとは言わなかった。原発はもうつくらないほうがいい。そう思っていた。危険な原発から時間をかけて廃炉にしていけばいいと思っていた。ぼくは反原発でも脱原発でもなく「超原発」派。原発をのりこえるエネルギーシステムをつくること。多様な再生可能エネルギーを効率よく引き出すシステムを開発して、これを、いずれ輸出の柱にする。内向きの思想や清貧の思想や断捨離ではなく、若者の雇用を拡充するため、経済をよくするエネルギー革命を起こすべきだ。そのために原発にかけていた莫大なお金をシフトすればいいと思っていた。原発をすぐに止めろと言わなかったのは、経済が悪くなると勝手に思い込んだからだ。経済が悪くなったら、若者の雇用はもっとシビアになり、この国はめちゃめちゃになると思っていた。原発に真っ向から反対しなかった。自己批判しないといけない。そう思っている。
(出典:鎌田實『チェルノブイリ・フクシマ なさけないけど あきらめない』朝日新聞出版,2011年,pp.46)
▼前【1924】(期末試験とか(2011年7月11日) ) ▲次【1926】(今日は論文チュートリアル(2011年7月13日) ) ●Top
△Read/Write COMMENTS