Top
個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1934回】 台風一過,ではないらしいが(2011年7月21日)
- 東の空から眩しい朝日が降り注いでいるが,風が涼しい。まだ台風は東の海上にあるらしいし,西の空は真っ黒な雲が垂れこめているが,台風一過に近い感じの中で草取りした。しかしこのrepellentは本当に強力だ。蚊はたくさんいるのだが,まったく刺されなかった。風呂の残り湯で流してから自転車で長野駅へ。
- 珍しく群馬も涼しかった。まるで秋になったかのようだ。昼過ぎに統計相談に来る人のために関連資料を出してみた。
- Demographic ResearchのPublication Alertメールで知った,Michel Poulain: "Exceptional longevity in Okinawa: A plea for in-depth validation."という論文にざっと目を通してみた。Figure 2に示されている,いくつかの国と,日本の各都道府県についての,女性の65歳平均余命と80歳平均余命の散布図を見ると,沖縄の高齢女性が例外的な低死亡率を示していることが一目瞭然だ。このように沖縄の人たちの寿命が日本の中でも例外的に長い理由について,百寿者(centenarian)が多いことを挙げ,その理由として,(1)第二次世界大戦後に戸籍が再構築されたために年齢の誤報告があって百寿者が誇張されたために見かけ上もたらされたartefactである可能性,(2)戦前生まれ世代と戦後生まれ世代では(食生活などを含む)生活行動が異なっていて,沖縄の戦前生まれ世代の人たちが本当に低死亡率である可能性の2つを示して,(1)の可能性をデータから検証した結果,それを否定する根拠は得られなかったが,積極的に支持する証拠もないというのがこの論文の骨格のようだ。結論として,著者は,どちらの説明も好まず,(この研究では25人しかできなかったためにはっきりした結果が得られなかったが)百寿者の一人一人について,戸籍謄本を参照するなどして年齢の信頼性を検証する"in-depth validation"が必要であると提唱していた。Referenceを見て思い出したが,この研究は数年前にこの著者が内藤楠登(Kusuto Naito)さんと共著で人口学研究に載せた論文の続きなのだった。in-depthをやるためには沖縄在住の人口学者との共同研究にしたらいいのではなかろうか。いなかったっけ?
- 某公務の続きをやっていて,壁に当たった。おそらく東日本大震災の影響と思われるバイアスがあるのだ。どうしたらいいか,メールでお伺いを立ててみたが,ここでいったん中断だな。
- 人類学会シンポジウムの演題登録が明日までなので,そっちをするか。某学会から依頼されている論文の査読をするか。
- しかし,統計相談が入って,どちらもできないでいるうちにセミナーの時刻になった。セミナーは,内容はわかったけれども,今一つ研究計画と紹介された論文のつながりがクリアでなかった。まあ最初だからこんなものかもしれないが。その後,MD-PhDコース学生の歓迎会へ。ノンアルコールカクテルが何種類もあるのが良く,料理も美味しかった。しかし流石にあそこまで自転車で行くと車に負けるんだなとわかった。21:30頃にお開き。いったん大学まで自転車で戻り,荷物をピックアップして再び自転車に乗って新前橋まで。22:19発高崎行きに乗るのにちょうどいいタイミングだった。新幹線は当然終電あさま555号。今日は外の気温が快適なのに,待合室が暑苦しくて仕方が無い。
▼前【1933】(今日も台風接近中(2011年7月20日)
) ▲次【1935】(朝は涼しいが真夏日になるらしい(2011年7月22日)
) ●Top
△Read/Write COMMENTS
Notice to cite or link here | [TOP PAGE]