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個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1948回】 集中講義準備(2011年8月5日)
- 配布資料原稿だけは一昨日送ってしまったが,プレゼンの準備がまだあまりできていないので,来週の3日間連続朝から晩までという岡山の講義の準備をする。
- 今日も陽射しは朝から強いが,長野は風が涼しいのが救いで,駅までの自転車は快適だ。しかし前橋は小雨がぱらつく曇天なのに蒸し暑く,バスにしてしまった。
- そういえば,川端がtwitterで使う語尾が時々「じゃもん」になるのは,ONE PIECEの魚人島の国王なんだな。
- 昼飯をとよだで食べつつ,川端裕人『ギャングエイジ』PHP研究所,ISBN 978-4-569-79764-9(Amazon | bk1 | e-hon)を読了。一度読んでいるはずなのに泣けてきて困った。子供たちの成長ぶりからは『天の瞳』に匹敵する感動を受けるし,結末へ向かっての物語の盛り上がりは素晴らしい。本筋とは関係ないが,実はぼくが住んでいる地域の小学校も校舎の建て替え工事をしていて(知らない人は,どうして3年間もかかるんだと思うかもしれないが,現実に小学校校舎の建て替え工事は3年間かかるのだ),その間校庭が使えないので運動会なんかもできなくなってしまって近所で場所を探すのが大変だったりするのだが,『ギャングエイジ』の舞台になっている小学校のいいところは,たぶん校庭が広くて学校林もあるところで,改築中だというのにちゃんと校庭が使えているらしいのが羨ましい環境だ。あと,川端自身も書いているように,この小説では小学校3年生の実際の授業風景や内容が教員の視点から多々描かれるのが特徴だが,せっかく算数で掛け算を扱ったところがあるのに,最近川端がfocusしている順番問題に触れられていないのは惜しいところ。教員間でも意見が違ってたりするだろうに。もっとも,そこまで扱うと拡散しすぎかもしれないし,本書執筆時点では,まだfocusしていなかったのだろうが。もう1つ,本筋とはあんまり関係ないが押さえておきたいのは,この校長先生は理想像に近いのだけれども,実は物凄い趣味人なのではと思わされるのは,カペ・アラミドを常備していて度々主人公てるてる先生にふるまってくれるという件。カペ・アラミドといえばインドネシア産のコピ・ルアクと同じくジャコウネコの糞からハンドピックして得られる豆で(ということは本書中にも書かれているが),そもそも扱っている店が少ないし,安い店で買っても100gで4,000円以上するはず。コーヒー1杯淹れるのに10gは使うから,1杯400円はかかる。焙煎して日数が経つとどうしても味と香りは落ちるので,これだけの豆を使うなら,焙煎してから1週間以内には飲みきりたいところ。それを常備しているらしい校長先生は,よほどのコーヒーマニアに違いない。
- 川端の小説はドラマにはなりにくいものが多いと思うが,本書は連ドラにできると思った。
- トヨタの専務がホワイトカラー・エグゼンプションを再度提唱した(たぶん)という/.Jのスレッド。労働時間を長くすれば売れる商品ができると考えているところが短絡的すぎる。10年以上前から書いているように,むしろワークシェアをして無職の人を減らし,職のある人には金を使う暇を作らないと需要が拡大しない。そもそも人口が減っているのに無職の若者が多い理由を考えなくては駄目だと思う。
- 気が付くと21:30だったので最終バスで前橋駅へ。高崎駅の待合室で,宮台・飯田『原発社会からの離脱』を読了。宮台氏が入るとサブカル感が漂うので,それだけで敬遠してしまう人と,宮台氏だからこそ読むという人の両方がいると思うが,本書は後者の人たちに飯田氏のメッセージを伝えるのには効果的だと思うし,原子力ムラのインサイダーから自然エネルギー推進の第一人者へと転身した飯田氏ならではの語りは興味深かった。角を折ったページがたくさんあるので,後で時間を取ってちゃんと書評を書こう。なお,復路新幹線では,今日のメモにも書いた川端裕人『ギャングエイジ』PHP研究所の書評を先にまとめてみた。
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