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公衆衛生学 (Public Health)

Latest update on 2018年2月8日 (木).


講義の目的と概要

本講義では,「公衆」,即ち,地域社会で普通に生活している人々,あるいは各種機能集団の人々の健康を保持増進するための理論と方法について学ぶ。

そのためには「健康」を定義することが必要であり,本当はそれが実に難しい。保持増進するための理論と方法といっても,社会条件や健康観が違えば違ってくるので,社会の文脈に即した理論でなければならない。だから,この講義を受ける際に常に注意して欲しいことは,その話で論じられている「公衆」はどういう集団を指しているのか,ということである。

一つだけ確かなことは,種類はいろいろであるにせよ,公衆衛生学の対象が個人ではなくて人間集団だということである。この点は多くの他の専門科目と異なるので,注意されたい。

講義の計画と内容

疫学については時間が足りないため,ごく基礎的なことだけ説明する。別途参考書などを参照し,自習して欲しい。実は疫学・生物統計学に限らず,公衆衛生学で扱うトピックはそれぞれ広大な裾野と奥行きをもっているので,本講義はあくまでも概論(とくに制度,法制,枠組み,方法論を中心にしたもの)と考えて欲しい。

後期月曜3限,B201で実施。

  1. 公衆衛生学とはどういう学問か? 健康とは何か(10/2,配付資料)
  2. 疫学・生物統計学(1)(10/11[水曜5限],疫学・生物統計学(1)(2)通した詳細資料配付資料)
  3. 疫学・生物統計学(2)(「因果関係」以降)(10/23,配付資料オッズ比などの計算の自習用資料)
  4. 保健統計・医療法と医療制度(10/30,配付資料(一部削除),約5MB)
  5. 地域保健とヘルスプロモーション(11/6配付資料)
  6. 母子保健・親子保健・学校保健(11/13,配付資料)
  7. 老人保健(11/20,配付資料より詳しい資料配付資料拡大版)(※この回,老研式IADLが80歳以上で男性>女性の理由を尋ねる質問があった。この論文によると,「電車やバスを使って一人で外出できる」「預貯金の出し入れができる」が80歳以上で男性>女性の差が拡大している)
  8. 国際保健(11/27,配付資料)
  9. 感染症とその予防(12/4,配付資料一部修正・拡大版詳しい資料)
  10. 疾病統計・慢性疾患の予防(12/11,配付資料拡大版)
  11. 衣食住の衛生(12/18, 資料)
  12. 産業保健(1/15, 資料)
  13. 精神保健(1/22, 資料; 高齢者の精神保健に関するWHOのFact Sheet,2017年の世界保健総会で採択された高齢者の認知症への公衆衛生対応の世界行動計画)
  14. 環境問題と公害(1/26,2限, 資料; マイクロプラスティックによる海洋汚染南極海におけるマイクロプラスティック問題)
  15. 期末試験(2/5。出題形式は従来と同じなので,以下の過去問を参照のこと)
  16. ※2月8日(木)3限(13:10-14:40)にE701で4限(14:50-16:20)にE801で非公式追試験を実施します。本試験未受験者は受けてください。

参考:2017年度期末試験問題同解答例2016年度期末試験問題同解答例2015年度期末試験問題同解答例2014年度期末試験問題同解答例2013年度の期末試験問題同解答例2012年度の期末試験問題同解答例

成績評価と基準

期末試験及びミニレポートによる平常点評価による。なお,期末試験は持ち込み不可である。期末試験で合格基準に達しなかった場合,翌週の再試験を受けることができる。結果,素点では合格基準に達しなかった者が多数いたが,ミニレポート点を加点することにより,期末試験を受験しなかった1名を除き全員が合格となった。得点分布は下図の通りである。70点未満だったものはしっかり復習すること。

2017年度評点分布

参考書・参考資料等


リンクと引用について