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個別メモ
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【第1838回】 承前〜わからないことだらけ。ちゃんとフォローしている時間もないが(2011年4月6日)
- 長野は寒いが,前橋は20℃まで上がるという予報が出ている。
- 今日も昨日の続きで学生実習の報告集編集作業。来週月曜の講義準備にも入りたいところだが……。
- コウナゴについて,相変わらず報道が要領を得ないのでソースを探してみたところ,いろいろ目についたので,以下メモ。厚労省のサイトにpdf形式で載っていた。茨城のコウナゴは,4/4に北茨城市高戸沖で採取したものは,半減期2.1年のCs134が250±3 Bq/kg,半減期13日のCs136が16±1 Bq/kg,半減期30年のCs137が260±4 Bq/kgで,その合計が526という意味であった。ここで示されている±は同一サンプルのtriplicateで得られたSDだと思うが,サンプル自体をどのようにしてどれだけ採取したのかは書かれていないのでわからない。同資料によれば,同日ひたちなか市沖で採取したものは合計83 Bq/kg(Cs134が38±1,Cs136が3.1±0.5,Cs137が42±2)であり,この違いが何によるものなのかがわからない。コウナゴ中の濃度分布がわからないと規制が妥当なのかどうかわからない。そもそも暫定基準値についての厚生労働省医薬食品局食品安全部長名の通知(リンク先はpdfファイル)では,I131の基準値を2000 Bq/kgに決めたことが強調されていて(北茨城市高戸沖コウナゴは1700±7 Bq/kgで基準値以下だったし,そもそもI131は半減期が短いので佃煮にでも加工して少し待ってから流通させることもできるし),セシウムの基準値がなぜ500 Bq/kgなのかがわからなかった。さらに検索してみると,この新聞記事に行きあたった。これを信じると,年間許容5 mSvとして,肉・魚などの一日摂取量500 gとして計算した値が500 Bq/kgだそうなので,コウナゴに規制をかけるために使うのは不適切だろう。人体に取りこまれる際には調理損失もあるし,bioavailabilityは当然100%ではないし,コウナゴだけ500 gも食べる人はいないだろう。厚労省から諮問を受けた食品安全委員会としては,リスク評価の立場なのだから,規制値を緩めるに足る根拠は無いが今後継続して検討する必要があると答えるのが当然で,リスク管理をする厚労省や農水省が,運用上の工夫をすべきなのではないか。いまのままだと,被災地の農業や漁業は潰れてしまう。一度潰れてしまった一次産業は簡単には復活できないことも考えるべきだと思う。
- 厚労省のサイトの中に,食品中の放射能測定マニュアルがあった。検出限界についての記述もある。それにしてもPuの迅速測定はICP-MSを使っていたのか。これだと土壌はどうやって測ったのかわからないが,かなり複雑な過程を経て測定されているなあ。それにしてもMSということは,ほぼ同一な質量のものがあったら過大評価してしまいそうだが,質量数238には干渉するものはないのだろうか。
- 朝,テレビで相撲協会の処分のニュースが流れていたが,あれだけ否定しているということは物的証拠はないのだろう。それでも他の人の証言を元にして処分してしまうのは魔女裁判を思わせ恐ろしい。背景とかまったく知らないので外しているかもしれないが。
- 名古屋市から陸前高田市への1000人規模での支援活動表明。さすが河村市長。先方のニーズのヒアリングも3月末にやっていて,それに基づいた派遣ができるように調整中らしい。
- 朝のニュースといえば,イチロー選手が昨日の試合で2つのエラーをしたそうだ。彼ほどの選手でも集中力を欠くことがあるということか。
- 平和郵便局でレターパック500を3つ投函。これでとりあえずProceedingsの予定送付先への発送はほぼ完了した。あとはメールの返事次第か。
- 今日は暖かいのはいいが,空気中花粉濃度が濃い気がする。マスクをしているのに鼻がムズムズする。
- 比較的低濃度な放射性物質で汚染された水を放出したこと以上に,ヘリコプターや放水車で大量投入した水の行き先がどうなっていたのか(溜まっている分だけでなく,間違いなく既に海に流れ出ているはず。水素爆発の後でやったのだから,建屋のプールなどに入らなかったにしても,放射性物質とともに流れて行ったに違いない)が問題のはずなのに,何故どのメディアも報道しないのかという柏野さんの指摘は尤もだと思う。ぼくもそう思っていた。
- R-develの流量が多い。最近のRtoolsが32bit版と64bit版を両方含むようになったから混乱しているのかも。R 2.13.0 alpha上でのパッケージチェックは概ね問題なかったのだが,Rtools213でビルドしてみる操作がまだだったので,とりあえずRtools213をダウンロードしてインストールした。"C:\Program Files\R\R-2.13.0alpha\bin\i386\Rcmd" check pyramidは無事に通り,"C:\Program Files\R\R-2.13.0alpha\bin\i386\Rcmd" check fmsbの方もvcdとDesignとEpiがインストールされていないのでRdのクロスリファレンスができないという警告メッセージが出たのを除けば無事に通った。やはりパッケージはなるべく標準の低水準関数だけを組み合わせて作っておく方がメンテナンスが楽だと思う。
- 2011年3月31日付け厚生労働省からのニュースリリースで,新型インフルエンザ(A/H1N1)が季節性インフルエンザと変わるところが無くなったので,「新型インフルエンザ等感染症」とは認められなくなったと発表されていた。東日本大震災と原発災害があまりにも大きな問題であるために見過ごすところだったが(当事者にとっては見過ごせない大問題は他にも多々あること――長野県栄村の3月12日未明の地震災害とか――は忘れてはいけないと思う),これで2009年春に始まった「新型インフルエンザ」騒動は終結したことになる。
- 『人口問題研究』の編集委員をさせていただいていると,国立社会保障・人口問題研究所で発行されたすべての出版物が送られてくる。今日届いた『社会保障統計年報 平成22・23年版』は公衆衛生学の講義に使えそうだ。
- 選択実習学生に統計処理を教えたり背景知識をレクチャーしたりしながら,できるだけ自力でRcmdrを操作してもらっている。その方が本人の身にもなるはずだ。その間に,地域保健実習報告集の編集作業をする。同じ施設のはずなのにレポートに書いてある施設名が学生によって違っているケースがあって悩んだ。この4月から高崎が中核市になったので高崎市保健所ができたため,これまでの保健福祉事務所から保健所業務が無くなって,西部介護福祉事務センターに改組されたわけだが,「これまでの保健福祉事務所」の名称が,県は西部保健福祉事務所と呼んできたのだけれども,高崎市の資料では高崎保健福祉事務所と書かれているものがいくつもあるのだ。たぶん後者が通称なのだと思うが,実習先施設名称として前者を書いている学生と後者を書いている学生がいて,統一したものかどうかが悩ましいのだ。他にも色々つまらないところで引っ掛かるので,編集作業がなかなか捗らない。えいやっと細かい違いは無視してしまいたい誘惑に駆られるが,できあがった報告集を,後で実習先施設に送ることを考えると,あまりいい加減に作ることもできない。
- 復路,高崎で乗継ぎ待ちの間にLABI1高崎の地下に行って,外村明彦『齋藤智裕「KAGEROU」を読み解く』オークラ出版,ISBN 978-4-7755-1676-8(Amazon | bk1 | e-hon)を買った。待合室と新幹線の中で読了。ぼくも「KAGEROU」についてはいろいろ書いたけれど,ここまで丁寧に読み解こうとは思わなかった。脱帽。とくに,吉野弘「I was born」は本書を読むまで知らなかったけれど,齋藤智裕が,「I was born」を踏まえて生につながる死の象徴として蜉蝣を捉え,それをKAGEROUと表記したという説は,その通りかもしれないと思った。
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