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2002年9月のメモ
- 最終更新:
2002年 10月 7日 (月曜日) 08時27分
- 水曜,木曜,金曜と,会議や統計相談やコンピュータ相談に答えつつ,合間を縫って仕事を進めたが,仕事が増える速度が処理速度を上回っていて収拾がつかない。pLaTeX2eでヘッダやフッタの位置を変えるのは簡単だったが,ヘッダのフォントを楷書体に(というか平成明朝に)変えるのに苦労した。結局,画像として読み込むことにした。dvipdfmにかけたら1ページごとに読み込み直しているらしいので,オーバーヘッドが大きそうだ。たぶん,もっとうまいやり方があるのだろうと思うが,わからないので仕方がない。このイヴェント集作りでは,原稿集めに苦労し,タイプセッティングに苦労し,久々に編集の辛さを味わった。
- Linuxのデスクトップスイッチャがノートで使うのに便利そうだったので,Virtual Desktop系のソフトを探してみたら,JS Pager Virtual Desktopという優れものが見つかった。設定で気をつけることは,"Mouse Scroll"と"Hide invisible windows from task bar"にはチェックを入れないことである。そうしないとNCWを「本当に隠れる」設定で使うのが難しくなってしまう。ついでにMozillaを1.2アルファにしてみたら,Wazilla 1.1で起こっていた,テーブルから文字列がはみ出るという現象が消えた。
- 後期も月曜日の祝日が多いため,水曜日に2回も講義が入った。予定表の講義予定を書き換えたが,10月最終週は講義準備が辛そうである。
- Rの追加パッケージ情報が9月に入ってからだけでも4件あった。今回の発表がまともにできたのも,すべてR(とPerl)のおかげだと思う。何とか貢献したいものだ。
- 23日朝,山口に帰還した。プログラミングのために竹内君が来たので,何ヶ所か歩いて回ったら,知らぬ間に足の筋肉が張っていた。計算してみたら10 kmくらい歩いたようである。思いがけずお裾分けにあずかった釣りたての鯵が美味だったので夕食が進んでしまい,歩いた分ほどには減量効果はなかったと思うが。
- 20日は海南島班のシンポジウムに出席しつつ,空き時間を翌日の準備に当てた。シンポジウムが終わってから,翌日のために発表練習を日付が変わった1:00まで。それから機山館に行ってシャワーを浴び,時折仮眠をとりながら,翌朝9:00まで発表内容をブラッシュアップした。一晩で数枚の図を追加し,原稿を推敲しつづけた甲斐あって,午後の発表はそれなりにうまくいったように思う。またもや帳尻合わせの能力を発揮してしまったわけだが,本当はもっと余裕をもって仕事をすべきなのだと思う。ともかく昼間のシンポジウムが終わってからも,夜の懇親会でも,英語とピジンをしゃべり続けた一日であった。3次会が終わって機山館にたどり着いたのは,またも1:00を過ぎていて,シャワーも浴びずに眠ってしまった。
- 19時過ぎに自転車で山口駅まで行き,山口線で小郡へ。新幹線で岡山まで行き,サンライズ瀬戸に乗り継いだのだが,21:30から22:30までの1時間待ちでは,いくら途中下車しても,店などもほとんど閉まっていて,手持ち無沙汰だった。結局,改札を出てすぐのところにあるコンビニで弁当を買って晩飯にするしかなかった。サンライズ瀬戸の「のびのびシート」は安くて過ごしやすくていいので,東京出張には便利なのだが,今度からは晩飯は小郡で済ませていくことにしようと思う。
- 19日木曜も快晴。久々に布団を干す。昨夜書き忘れたので,knoppixについてメモを追加しておく。これはLive! Linuxと同様に,ハードディスクがなくても使えるように設計されたディストリビューションで,しかもLive! Linuxとは違って無料で使えるのが素晴らしい。自動的にマウントされたSCSIハードディスクは/mnt/sda2とか/mnt/sda6とかになっていて,中のファイルの読み書き権限がusers限定になっていたので,普通のターミナルウィンドウから操作するためにはtarコマンドの前にsudoを付けて,例えばsudo tar cvzf etc.tar.gz /mnt/sda2/etcのようにする必要があった。scpもちゃんと使えて,新サーバへの転送が完了したときは,本当にほっとした。
- 会議が全て終わった後,退官される教員の送別会に出て,再び大学に戻ってきた。8月末に看護学部のウェブサーバ兼旧メールサーバの(SCSI接続の)ハードディスクが壊れて以来,さまざまな手を使ってメールスプール救出努力をしてきたのだが,CDだけでブートできてRAMDISKで運用できるKNOPPIX 3.1 日本語版で起動したら,SCSIハードディスクの各パーティションも自動的にマウントされ,DHCPクライアントとして自動的にネットワーク接続できたおかげで,やっとメールスプールの救出に成功した。思えば長い試行錯誤の連鎖だった。
- 9月18日水曜日は久々に気持ちの良い快晴。このところジメジメした日が続いていたせいか,家の洗面所付近にナメクジが大発生していたのが,これで多少は改善されるだろう。それにしても,こんな日が会議漬けなのは勿体無いことだと思う。
- 腕時計の電池が切れた。米を買いに行くついでに腕時計を見たら,同じ程度の機能のものが4000円弱で売られていたので買いそうになった。電池交換できる店が見つからなかったら,買ってしまうかもしれない。
- 青空MLで,容器から溶出するアルミニウムがアルツハイマーと関係するかという懐かしい話題が出たので,探してみたら,5年くらい前に喫茶MLに投稿した文書が出てきた。ついでにPubMedでその後の研究を探してみたが,それほど画期的な進展はないようだ。せっかく文書を見つけたし,喫茶MLのログは非公開だから,html化しておく(アルミニウム容器とアルツハイマー病の話)。ちなみに,9月21日は世界アルツハイマーデーなのだそうだ。
- JECONETで知った,和歌山大学の古賀さんによる,和歌の浦干潟保全についての意見書。これも「コンコルドの過ち」なんだろう。行政は誰に対して責任を果たすべきかということを考えなくてはいけないし,柔軟な対応ができなくてはいけないと思う。
- 月曜はシンポジウムの準備を進めた。外が雨なのが鬱陶しい。
- 日曜昼に長野に戻って,子どもと遊んでから,夜行バスで山口に戻ってきた。京都大学霊長類研究所の片山一道教授からご恵贈いただいた,「古人骨は生きている」(角川書店)をバスの中で読み始め,新大阪で乗り継いだ始発の新幹線の中でも読み進めた。相変わらず独特の語り口が何ともいえず惹きつける。本筋は骨考古学を巡るいろいろな興味深いエピソード(日本各地やニュージーランドのダニーデンでの体験談も含めて。ただし,本書はエッセイなので,テクニカルな骨の解読話よりも,それが意味するところの話が中心)だが,それ以外の話も面白い。中でも,書物は3種類ある,という話が印象に残った。片山さんは,若い頃は乱読派で,癒し系,肥やし系,移し系の3種類に区別していたけれども,最近では偏読派になって,一握りの熟読本と相当数の積読本とその他もろもろの「さわらずの本」の3種類になったそうだ。ぼくもそれに近いが,最近は肥やし系の本を一部だけツマミ読みすることが多いのが悲しいところだ。この本は肥やしになるばかりではなく,癒されるし気分転換にもなったのだけれど,本当はシンポジウムの準備が終わっていない現状で,読書などしていてはいけなかったような気もする。もう読んでしまったのだから仕方ないが。
- 厚生労働省と文部科学省が合同で開いている疫学倫理指針のページ。
- 科研費の説明書に目を通していたら,今度の申請から疫学研究についても倫理規定ができたようだ。引用しておく。
6)疫学研究が含まれている課題の申請
研究計画に疫学研究が含まれている場合には「疫学研究に関する倫理指針」(平成14年文部科学省・厚生労働省告示第2号)及び平成14年6月17日付け14文科振第123号文部科学省研究振興局長通知に定める細則に沿って、倫理審査委員会の審査を経る等の手続きが必要であるので、申請に当たっては十分に留意すること。
なお、採択された場合であっても、必要な手続きを怠った場合には交付を取り消すこともあるので注意すること。
- 9月12日木曜日は,朝から夕方まで千客万来(主として統計相談),返信を要するメールも多くて,ほとんど何も自分のことができない。明後日の東京での発表が危うい気がする。
- 事務局から平成15年度科学研究費補助金(ここは中国・四国地区なのでリンク先は阪大)の通知がきた。もうそんな季節か。
- 稲盛財団から盛和スカラーズソサエティ会報No.6が届いた。日高敏隆さんの「イマジネーションと幽霊」という話は,内容的にはとくに目新しくはないが,相変わらず語り口がうまいと思った。
- statsというメーリングリストにアナウンスが流れたので知ったが,東京都が,東京都統計研究発表会という公開講座をするらしい。金曜の午後だから行けるかもしれない。研究発表の3番目以外は,とくに目新しいことはなさそうだけれど,こういう発表を公開講座としてやるのはいいことだと思う。
- 「田中前知事・記者クラブ」(同志社大学・浅野健一教授による,脱記者クラブ宣言を巡るマスコミのおかしな動きの指摘)と「長野県知事不信任についてのゲーム理論的考察」(早稲田大学・佐々木宏夫教授による考察)をリンクしておく。どちらも同感。マスコミのダメさについては,ここに書いたけれど,完全に解体するよりもダメでなくした方が情報伝達としては効率がいいから,不買運動でもしようかと思う。この「メモ」で,長野県知事選の結果について「当然の結果」と書いたのは,佐々木教授と概ね同じようなモデルを漠然と考えたからだ。もっとも,ヒトは往々にして思慮を欠いた不合理な行動を衝動的にとってしまうものだから(原因としては,愛着【長野県の治水・利水・ダム関連リンク集と私見の後半を参照】とか,コンコルドのあやまちとか,宣伝による欲望強化があるかもしれない),閉じた世界で自意識が肥大してしまった職業政治家が合理的な判断をしなかったことには,それほど不思議は感じないが。
- 「若年層の心疾患53%が肥満要因 中高年は37%止まり」(信濃毎日新聞記事)。データとしては面白いのだが,中高年は若年層に対するコントロール群にはなりえないので,この比較はあまり意味がないと思う。それに,要因については複数回答で,common diseaseのcomponent causesが複数だということは既に常識だというのに,1つの要因を満たした割合の数字を単独で出すことは誤解を招きやすい。元の発表ではもう少し慎重な表現がされているのではないかと思う。なお,記事中,肥満など生活習慣は虚血性心疾患の原因の一つとして従来から指摘されていたけれども統計的な調査は例がない,という主旨の文章はどう考えてもおかしい。記者が何か誤解したのだと思うが,虚血性心疾患のリスクファクターに関する疫学調査は腐るほどある。PubMedで,試しに"ischemic heart disease obesity epidemiology"で検索してみると1509文献も引っかかった。科学記事を書くなら,新聞記者も,ここまで変な記述はしない程度の感覚はもっていて欲しいと思う。
- 国民健康保険中央会のサイトは,データとか報告書が充実している。でも,データ形式がタブ区切りテキストならばもっと良かった。
- 「わが国周辺の水産資源の現状を知るために」。独立行政法人水産総合研究センターによる水産資源評価に関する広報サイト。平成14年度版によると,マイワシとマサバは一段と減少したようである。もっとも,魚種交替現象と考えれば,取り立てて大騒ぎするようなことでもないかもしれないが。
- Center for Ecoliteracy。世の中にはぼくと同じようなことを考えて,既に組織作りとか実現に向かって動いている人がいるということを,ときどき見つけるのだが,これもそう(例えばFood Systems Projectは,以前青空MLに投稿した「奉仕よりも生活教育を」と,かなりオーバーラップしている気がする)。ぼくは考えるだけなのが弱い。
- 木曜は長野県の地方小出版から出ている本を探した他は,未来開拓研究の原稿書きに明け暮れた。金曜も原稿書きを継続した。土曜は子どもたちを連れて去年も行った小川で魚採りをした。ザリガニとドジョウが多数採れたので,金魚が死んで以来空になっている水槽で飼うことにした。日曜夜に長野を出て夜行バスで新大阪に着き,ひかりレールスターの始発に乗り継いで小郡駅に降り立ったのは月曜8:09であった。北口に回ってチケット屋で1枚ずつ買うより若干安い小郡=新大阪6枚綴りの新幹線自由席回数券を買い,バスに乗って山口県立大に帰ってきた。長いメールを送信したり学生の相談に乗ったりしているうちに日が暮れた。
- 水曜日に県庁に行き,医務課で尋ねてみたら,8月27日にメモした「健康長寿県長野の秘密について」は,報告書というよりも,議論のまとめのようで,A4で1枚の文書だった。しかし,資料を集めていると話したら,最新のデータからまとめられたA3で2枚の資料をいただくことができて有難かった。今日お会いした県庁の方々は,皆親切で感じがよかった。
- 枝廣淳子さんたちが立ち上げたJapan for Sustainabilityのような,日本の情報を英語で世界に発信する仕事は大事だと思う。面倒だけれど。
- 統計学の講義資料について,間違っている点を指摘するメールをいただいたので,何点か訂正・補足した。いずれも試験とは関係ないところなので,とりあえず大きな問題はないと思うが,講義資料を公開するということは,講義内容についての責任という意味では常に心を引き締めておかねばならないということなのだ,と再確認した。火曜は,かなりの時間をそれに費やしてしまったが,仕方なかろう。夜半,久々に雨。
- 9月2日月曜。昨日はsinetのDNSがおかしかったのだと思うけれど(tracerouteしてみたらsinet内でループしていたから),moperaからは山口県立大学のネットワークにunreachableだったのでメールも見られなかった。既に先日設定した締め切りは過ぎてしまったので,早いところ原稿を仕上げねばならないが,暑くてなかなか集中できないのは困りものだ。原稿を仕上げたら調査のための資料集めにもでかけねばならないのだが,今日の県庁辺りは混んでいるだろうなあ。
- 9月1日は4月に住民票を山口に移してしまったので投票権がないのを残念に思いつつ,妻が投票に行くのに投票会場の入り口までつきあい,その後一家で牟礼に行ってプルーン狩りをし,採りたての桃を引き取って帰ってきた。プルーンも桃も美味この上ない。「利家とまつ」開始直後に選挙速報が入って当確が出たのにはちょっと驚いたが,出口調査だけで明確に予測できるほど大差がついていたということで,経緯を考えればそれも当然かと思った。
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