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【第347回】 いろいろあった水木(2013年5月16日)
- 6:48のバスで三宮に出て,阪急で六甲へ。歩いて六甲病院に着いたのが7:40頃だったか。8:00からの人間ドックは2番の受付だったのだと思う。わりとスムーズに流れて10:40頃完了。13:30から大倉山で行われる医学部全体の教授会に直接行くと早すぎるとは思ったが,GSICSの研究室に行っても30分くらいしか仕事はできなそうなので,直接大倉山へ。うっかり乗り過ごして湊川公園で降りたが,大倉山キャンパスに着いたのは11:40頃だった。とりあえず生協食堂で昼食をとり,川端先生の研究室に顔を出してみたらちょうどいらしたので,院生の指導について話ができて良かった。13:30からの医学部教授会は新しい学部長の選挙だけなのであっさり終わった。名谷キャンパスに戻って15:00から再び教員会議とか教授会とか。会議が終わった後に査読をしていたが終わらず。翌日の講義準備として資料の印刷をして,21:00過ぎに帰途に就いた。
- マンガ『もやしもん』の作者が,岩田健太郎先生の監修を受けて書いたという,風疹啓発マンガ。素晴らしい。
- 木曜は7:28のバスで三宮に出て,阪急で六甲へ。相変わらずの急坂を登攀してGSICSがある第五学舎へ。206教室に着いたのが8:25頃だった。机を並べ替えて,ここまで一昨日からのメモを打ったら8:55になった。
- 例によって4コマ連続の講義が終わると疲れ果てているのだが,その後さらにベトナム医療保険研究の打ち合わせをしたので,完全にexhaustしてしまった。
- 帰る前にメールをチェックしたら,コードネーム"Good sport"こと,R-3.0.1がリリースされたというアナウンスメールが流れてきた。アップデートが早いなあ。tweetしたが,疲れ切っているので今日は手を出さずに帰ろう。バイナリがCRANミラーに入ってからで良かろう。
- 帰り道,阪急六甲駅1階のスーパーで食材を買ってみたが,三宮KOHYOと同じく,安いわりに鮮度が高そうだし品揃えは豊富だしいい感じの店だった。ただ,地元産の食材の品揃えは,めぐみの郷の方が上だが。
- 帰宅後,買ってきたばかりの食パンとハムとチーズとレタスとトマトを使ってサンドイッチを作り,牛乳を飲んで晩飯を済ませた。入浴後,疲れていたので早めに眠ったのだが,2:00頃に妻から電話が掛かってきて起こされた。まあ急用と言えば急用なんだが,コンピュータ操作上のサポートリクエストであった。(`jj')。
- 目が覚めてしまったので,橋本武『伝説の灘高国語教師の「学問のすすめ」』PHP研究所,ISBN 978-4-569-81053-9(Amazon | honto | e-hon)を読了。とても共感するところが多かった。p.29「横道にそれて調べていくと,今まで何も気に留めず流れていた日常生活の中にも,楽しむことができる題材がいくらでも転がっていることがわかります」は,自分でも度々経験したことだし,講義でも心がけている。横道の可能性を示すことがなかったら,せっかくライブで講義をする意味がないと思う。国家試験に受かるという視点からは一見効率が悪いように感じるのでdisる学生がいるのだが,ここは専門学校でなく大学なのだし,深く理解する方が絶対にいいと思うので変えようとは思わない。本書p.28-29に甲子園の話が出てくるが,実はちょうど5月2日の人口学特講で,テキストにはないけれども日本のデータで試してみようと言って,1888年の日本の国勢調査データで性比を求めたら,42歳の人だけ極端に高い,120を超える値を示したので,何年生まれだろうと考えて原因に思い当たり,おそらく丙午伝承のせいだろうという話をしたところだった(計算するコードと英語での説明)。英語でやっている講義で,インドネシアと台湾からの留学生もいるので,干支,即ち十干十二支についても説明した上で,丙午生まれの女が男を食い殺すという伝承があって,1966年は男女とも出生が減っただけだったが,120年前の1846年にはもしかしたら女児殺しが存在したかもしれない(世界を見渡してもいくつかの集団で嬰児殺し[infanticide]という現象はあって,これが男児選好[son preference]が存在する社会で起こると女児殺しになる)と説明した。十干が中国伝来の陰陽五行説の木火土金水を左から右に並べ,それぞれ兄弟を上下に配置して,左上から上下,上下,右に向かって甲乙丙丁戊……を配置し,甲が木の兄で「きのえ」,乙が木の弟で「きのと」,丙が火の兄で「ひのえ」になることと,十二支は子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥と「辰」は想像上の動物だけれども,他はみんな動物で,十干と十二支を組み合わせて1つの年を示し,甲子(きのえね),乙丑(きのとうし),丙寅(ひのえとら),……と続き,10と12の最小公倍数が60だから60年で一巡し,それが還暦である,とか,いくらでも話は広がる。英語で完璧に伝えられたかは心許ないが,それらの話のどこかが心の琴線に引っかかったら,自分で調べていくことができるし,そのきっかけになればいいのだと思っている。自分の場合を考えても,この話を知ったのは高校の漢文(奇しくも,ぼくが開成高校で漢文を習ったのも,本書の著者と同姓の橋本先生であった)の授業がきっかけだったが,授業を聞いた後で自分で調べたからこそ,今でも覚えているのだと思う。本書を読んで強く思ったことは,いい授業をするには,それだけの準備時間を掛ける必要があるということだ。ぼくも助手の頃などは90分の講義を1つするたびに2日以上の準備をするのが普通だったが,現職では講義が多すぎて,とてもそんなことはやっていられない。大学教員がどんどん減らされているのだが,研究をした上でいい講義をしようと思ったら,現在の人数でも全然足りないと思う。たぶん灘高校とか開成高校よりも教科当たりの教員数が全然少ない。自分が担当している講義について言えば,同じことを講義できる人があと2人は欲しい。そうなっていれば,今年だけ全専攻3年と同時開講のため遠隔講義になってしまっている看護2年の保健行政論も,他の先生に担当して貰うことができるので,学生が遠隔講義について不満に思うという不幸も生じないだろう。なお,国語教育についても,橋本先生が推奨される,自分の体験として深く本を読み読後感を書くこと,日記をつけること,詩歌を作ってみること,というのは,詩歌を除き(その代わり物語はいくつか書いた)ぼくも実践してきたことなので,我が意を得たりと感じた。即効性はないかもしれないし,小学生向けの国語の塾講師をしたときにこれを薦めていたらクビになってしまったが,長い目でみたら間違っていないと思う。
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