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【第528回】 今日も公務1つの他は締め切りと講義準備(2013年11月27日)
- 5:55に「Good Morning」と「暦の上ではディセンバー」で起床。昨夜作った野菜スープを温め直し,胚芽米ご飯に掛けて朝食とした。これで炊飯器が空になったのだが,今日の晩飯と明日の朝飯を食べたら日曜まで帰ってこないので,米を仕込むかどうか,難しいところだな。麺類で済ませるか。
- 今日は午後に公務が1つ入っているが,その他は昨日と同じく,締め切り仕事と講義準備をする予定。
- 往路バスで,このところ暇を見つけては読んでいた,イチロー・カワチ『命の格差は止められるか ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業』小学館101新書,ISBN 978-4-09-825174-2(Amazon | honto | e-hon)を漸く読了。基本的に社会疫学はコンテクストに注目する疫学なので,ほぼ人類生態学とスコープが重なり,とても親近感があるのだが,本書は公衆衛生学と社会疫学の入門書として重要なトピックをコンパクトにまとめて書かれており,例示も多くて(p.93〜94のフェデックス・グラウンドの話など,労働基準監督官の仕事を扱ったドラマ「ダンダリン」の今夜放送される回のストーリーのネタ元かもと思われたし,マクドナルドのコールセンターの話とか,シカゴ熱波のときの北ロンデールと南ロンデールの死亡率の違いとか,理解を助けてくれて)お薦めできる。というか,最近やった講義のいくつかで,学生に買って読むことを薦めた。安いし。『アメリカに移住すると10年で10ポンド体重が増えるので「アメリカ移10(住)現象」と呼べるかもしれませんね』などのユーモア感覚が随所に見えるのがチャーミングだし,きっと講義でも大人気だろう。Kawachi先生のお話をもっと聞きたいと思った方は,11月15日から配信されている無料のオンライン講義を聞くと良いかもしれない。本書の説明の中には,米国というかハーバードならではの特性と思われる記述もあって興味深い。p.59の格差が健康に影響を与えるメカニズム3つ目の話は,たぶん日本の大学で質問したら,違う答えが返ってくると思う(神戸大の公衆衛生学の講義の中で学生に聞こうかと思っていたのだが時間がなくて聞けなかった)。本書の書き方はかなり一般読者に配慮されているので,p.70〜71に書かれている「健康の敏感期」というのはBarker仮説の話だが,epigeneticsにまでは踏み込まないし,その他にも記述を簡略化しているところが多い。が,巻末に参考文献リストが付いているので,重要なところは原典を辿れば確認できるようになっているのが素晴らしい。なお,誤植を2つほど見つけた(p.62の図の出典,Does relatire ...となっているが,明らかにDoes relativeの誤植。p.67「相対する効果」はおそらく「相反する効果」)が,新書にしては少ない方か。
- 某査読と某公務と某飛び入り公務と図書館への本の推薦を済ませた時点で17:00を過ぎた。公衆衛生学会の編集後記ゲラがメール添付で来たので速攻チェックして返信。
- 明日の講義準備が20:05までかかったので,慌てて帰途に就いた。直通終バスで帰宅し,パスタを茹でてイカ明太を絡めた晩飯。まだ金曜の東京での講義準備と土曜の統数研での発表準備が残っている。明日の夜行便の出発までには終わらせたい。
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