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【第560回】 年賀状書きの続きと娘に英語を教える作業に明け暮れた後で神戸へ(2014年1月3日〜4日)
- 3日も箱根駅伝を見た後は,年賀状書きの続きと娘に英語を教える作業。
- 4日は朝から娘に英語を教える作業。昼過ぎに長野駅に向かい,14:00発の特急しなの16号で大阪へ。森恵『世界』『Grace of the Guitar』を聴きながら,垣根涼介『光秀の定理』角川書店,ISBN 978-4-04-110522-1(Amazon | honto | e-hon)を読了。剣の道を求め続ける新九郎と釈迦の原典のみを学ぶ坊主愚息の,他の何物にも囚われない自由な生き方と,明智一族の命運を背負いながらも実直に生き,出世もしたがそれ故に本能寺の変を起こすところまで行くしかなかった光秀の縛られた生き方を対比させつつ,さまざまなエピソードから浮かび上がる彼ら三人の男の深い友情のありようを横糸に,戦国時代がもたらした世のうねりと史実が教えてくれる人間の運命の儚さを縦糸に,丹念に紡がれた絵巻物のような小説であった。そこにトッピングとして振りかけられたものだと最初は思っていた2つの確率論ネタ,3個のサイコロを振って1つでも6が出るか1つも出ないかという賭けと,ベイズの定理を使った賭けは,確率論の初歩ではあるが説明がうまかった(アマゾンの読者書評にある批判は正しいと思うが,あの場面に適用できないことは,ストーリー全体の中では大した問題ではないように思う)。最後に愚息が語る,ベイズの定理の解釈の深さ(というか,作者が訴えたい含意)には唸るしかなかった。光秀の運命の悲しさには涙が出そうになった。超傑作。
- もう1点付記するならば,垣根作品にはよくあることだが,光秀の妻,熙子が魅力的に描かれていた。同じ目線でものを見られる伴侶をもつ幸せというような表現が出てきたが,その通りだと思う。
- 本当は年賀状書きをしたいのだが,電車が揺れすぎるので無理。大阪まで眠っていくか。
- 大阪から神戸まで新快速で行き,神戸駅の成城石井で弁当などを買ってバスで帰宅。
- 晩飯を食べながら,芸能人の特技No.1を競うという企画テレビ番組TEPPENを眺めていたら,年末に佐久間正英さんとセッションしているのを見てから注目している生田絵梨花さんが出ていて,JUDY AND MARYの「そばかす」を演奏していた。審査員の服部克久さんはテンポの良さを認めつつも3連符を使ったアレンジを批判していたが,最初こそ硬かったものの,途中からはスウィング感がちゃんと出ていたように思うし,サビ前の間とか緩急は絶妙だったし,何よりも曲への思い入れというか愛情が感じられる,とても良い演奏だった。短縮版でなく,フルコーラスのアレンジを聴いてみたいと思った。ただ,番組企画としては問題があって,本当にピアノ演奏のNo.1を決めたいなら,クラシックかジャズの同じ曲を演奏しないとダメなんじゃなかろうか。My Favorite Thingsとか,Waltz for Debbyがいいと思うがなあ。
- なお,件のセッション"Last Days"が収録された佐久間正英さんの企画アルバム『SAKUMA DROPS』は3月発売だそうだが,これは買わねばなるまい。
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