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【第582回】 fmsbパッケージ更新と公衆衛生学講義(2014年1月27日)
- 6:00起床。直通3番のバスで出勤。
- Rothman教授から返事があって,p値関数を描くpvalueplot()で使っていた式が不適切だったことが確認できた(RRやORの点推定値の点と,帰無仮説RR=1やOR=1の点では正しくp値を計算するのだけれども,それ以外はnested confidence intervalsとズレてしまう。テキスト8章では「RR=1の点だけでなく,あらゆるRRについてのp値が計算できる」と書かれているが,その式が与えられておらず,9章の式を援用しようとしたのだが,Rothman教授によるとRR=1やOR=1の帰無仮説以外にその式を使うのは不適切なので,Rothman教授自身は,先にp値を与えて信頼区間を逆算し,nested confidence intervalsとしてp値関数を描画しているとのことであった)。そこでfmsbのコードをRothman教授と同様の計算方法に修正し,バージョン0.4.3としてCRANにアップロードした。これまで何年も講義をしているのに,p値関数がおかしいのではという疑問点は,今年の学生から初めて指摘された。もし既にpvalueplot()を使ってしまった方がいらしたら,大変申し訳ありませんでした。
- 上記作業だけで午前中が終わってしまった。もちろん,講義資料を最終仕上げして,プリンタに印刷しながらだが。
- 午後はプレゼン用の資料を最終仕上げしたり事務室に行ったりしてから,公衆衛生学の講義最終回。環境問題と公害ということで,つい喋りすぎてしまった。ともあれ,講義が完了したので,来週の期末試験の問題を作ろう。
- 19:00からGSICSの院生の方針相談,19:30からゼミが21:00頃まで。
- 来週のゼミで,院生たちからの要望により,レビュー論文のお手本のようなものを紹介することになったのだが,さて何を紹介しようか? 手持ちのいいレビュー論文は古いものが多くて,文献データベースが充実した現在では方法論がそのままでは使えないので,とりあえず,何週間か前に公衆衛生演習のDisaster and Healthの回に紹介した,PLOS Currents DisastersのChan and Burkle Jr. (2013)で文献検索の指針を示してから,それを満足するような論文を探す?
- 今日も復路は湊川公園廻りの終バスになりそう。
- pvalueplot()は,Rothman教授のメールにも書かれていたように,いずれにせよ,所詮近似式なので,シミュレーションで正確なp値を推定するとか,フィッシャー流に正確な確率を計算する(ただし滑らかな曲線にはならなそうだが)手もあるだろう。しかし,計算時間がかかりそうだし,そこまでするような厳密なものかというと微妙。実用上は近似式で十分。ただし,nested confidence intervalsと一致するためには,今回の修正は必須だった。
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