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【第684回】 人口学の相談を受けてから講義準備をして長野へ(2014年5月23日)
- 6;00にWannabeで起床。今日は午前中に北大の院生から人口学の相談を受ける予定になっているが,夜行バスで長野に向かわねばならないため,来週の講義準備をできるだけ進めておきたいところ。
- 「国連、ジャンクフードはたばこよりも大きな脅威と警告」という/.Jのストーリー。WHA67での報告か? と思って探したところ,LA Timesの記事や,Olivier De Schutter氏のサイトでのレポートや,World Cancer Research Fundの記事によると,たぶんそのようだ。
- 午後も講義準備やメールでの仕事をいくつか。19:30過ぎに研究室を出て,名谷から地下鉄で新長田,JRで三宮まで行ってから新快速に乗り換え,21:20頃に新大阪に着いた。駅のカレー屋に入ってハヤシライスで晩飯を済ませ,21:59発の夜行バスで長野に向かう。移動途中で,先週読了した高野秀行×角幡唯介『地図のない場所で眠りたい』講談社,ISBN 978-4-06-218889-0(Amazon | honto | e-hon)で紹介されていた,峠恵子『ニューギニア水平垂直航海記』小学館文庫,ISBN 4-09-411591-9(Amazon | honto)を読了した。2004年に文庫書き下ろしで出版されたものの,もう絶版になっているのだが,アマゾンに出品している古本屋が扱っていたので入手できたのだ。海にも山にも素人同然のシンガーソングライターだった著者が,日本からニューギニア島まで小さなヨットで航海し,イリヤンジャヤの川を遡行してオセアニア最高峰の北壁を登攀してしまおうという,普通に考えたら無謀と思われる挑戦をし,その一部始終を等身大に書き綴ったものであり,抜群に面白かった。ともかく,最初は4人で始まり,途中で屈強な男性2人が抜けていく中,この過酷な1年間の冒険行を完遂しただけでも賛嘆に値する。書きっぷりも素晴らしいので,これが絶版になっているのは,本当に勿体ないと思う。キニーネは耐性原虫がいるのではなく治療にしか使えないからメフロキンの予防内服をしたはずだとか,吸血昆虫の襲撃に備えてDEETS入りの昆虫忌避剤や強烈な殺虫剤を用意していかないのは甘いだろうとか,幻のタスマニアタイガー探しに嵌まらずユースケこと角幡さんと一緒に撤退した方が良かったんじゃないかとか,当時の彼らに声をかけてやりたい思いにとらわれながら,一気に読み通してしまった。現地の人々(とくに賄賂をせびる小役人とか,ダメ元でたかってくるポーターとか)とのいろいろなやりとりは,フィールドワーカーだったら誰もが思い当たることが多く,身につまされた。この冒険行の後で,峠さんがどういう曲を書いているのか聞いてみたいと思って探してみたが,新しいアルバムなどは見つからなかった。曲にもできないくらい凄まじい体験だったということか。
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