Latest update on 2018年3月7日 (水) at 15:42:47.
【第888回】 院生の相談とかマヒドン大学テレカンファレンスとか(2015年1月9日)
- 6:15起床。昨夜作ったキムチ鍋の残りを温めなおして朝食。若干の野菜と辛いスープがまだ残っているので,これに肉と野菜を追加して晩飯のおかずにしようと決めた。
- 飛行機を予約購入したり急ぎのメールを何本か打ったりしているうちに7:30を過ぎたので,直通3番のバスで出勤予定。今日は10:45から院生の修論相談,13:45から15:10までマヒドン大学公衆衛生とテレカンファレンス,15:15から院生との面談,16:30から某重要公務と午後は予定が立て込んでいる。締め切り過ぎの仕事は10:45までに済ませたいのだが……。
- 大学に着いて事務に寄ったら,昨日のうちにレーザープリンタのトナーやいくつかの郵便物が届いていた。中に,東大の卯田さんからの献本が含まれていた。書誌情報は,卯田宗平『鵜飼いと現代中国―人と動物、国家のエスノグラフィー』東京大学出版会,ISBN 978-4-13-056309-3(Amazon | honto | e-hon)である。昨年の人類生態同窓会で聞いた発表も面白かったので,本文を読むのが楽しみだが,同封されていたUPのエッセイも大変面白かった。中国ではカワウを産卵させ,人工飼育して育てた成鳥を使って漁ををするので,紐を付けなくても逃げない代わりに棒などで脅さないともぐって漁をしないが,日本の鵜飼いは野生のウミウを捕まえてきて使うので紐を付けないと逃げてしまうけれども,脅さなくても潜って魚は捕ってくれるという。それだけではなく,去年の春,宇治川の鵜飼いのウミウが日本で鵜飼いが飼っているウとしては初めて産卵し,それを育てたら,中国のカワウと同じく,逃げださないけれども潜らないウになってしまったというのだ。日本に鵜飼いの研究者は極めて少ないそうだが,とても面白い話なので,川端君がナショジオの研究室に行ってみたシリーズで取り上げてくれないかな。
- 国際保健医療学会西日本大会への発表に応募する院生の原稿がやっと届いたので速攻で直して返信。締め切りが明日だから,急がないと。
- 修論相談に乗った後,ダイエーで買ってきた食パンにハムと生野菜を挟み,胡麻ドレッシングをかけたサンドイッチで昼食を済ませた。
- マヒドン大学とのテレカンファレンスは,急に日程が決まったこともあってこちら側の参加者が少なくて申し訳なかったが,大変興味深い内容だった。1人目,Dr. Adisak Bhumiratanaの発表は,ざっくりと言えば,マラリア,フィラリア,デング熱などの昆虫媒介感染症について,GPSでヒトの行動をトレースし,ドローンから空撮した地理情報データによる時空間的なリスク推定値と組み合わせて数理モデルを適用するという話で,自分が昔やった研究をより精緻にしたような話だった。発表タイトルが"Landscape ecology and epidemiology changes of vector-borne disease in Thailand."で,レジュメには"EcoHealth Research"というタイトルがついていて,とても親近感が湧いた(庄亮先生のエコヘルスや門司さんのエコヘルスとは違って,HealthをEcosystemとのつながりで見るという点にfocusしているのだけれども)。大塚柳太郎,中澤 港 (1998) 地域生態系とヒト - マラリア伝播過程を中心に. 今日の感染症, 17(3): 6-9.の延長線上にある話といえようか。2人目,Dr. Charnchudhi Chunyasunhaの話は,7種の家畜と3種の野生動物,それぞれ20〜30個体から採血して,日本脳炎ウイルスの抗体保有についてHI試験で評価した研究だったが,サルと虎と乳牛を除けば7割以上が陽性で,これらの動物がリザーバになっているとしたら,日本脳炎を撲滅するのはほぼ不可能なのではないかと思われた。少なくとも当面はワクチンで対策するしかないだろう。結果としては,野生のコブラが100%近く陽性という点と,乳牛は陽性割合が低いのに肉牛は高いという点が興味深かった。質疑で尋ねてみたら,おそらく乳牛は搾乳時の衛生管理のために殺菌剤を使っていて,イエカ属の蚊はその臭いを嫌うのではないかというお答えだった。世界展開力強化事業での提携大学とのテレカンファは無料でできるので,今後も定期的にやりたいという話になった。具体的な詰めはこれからだが。
- その後,インドネシアからの留学生の博士論文提出にかかわる事務仕事をしてから某公務に行ってきたが,2時間以上掛かって疲れた。これが無くなるのなら「改革」は福音かも。
- 疲れ果ててはいたが,学会参加のついでに関東方面から共同研究者Mさんが来てくれたので,カンボジア調査について相談。貴重な情報をいろいろ得られて良かった。ただ,今年度はこれも予備調査なんだが日程が最大の問題で,2月中旬に行こうと思っていたのだけれども,10日に運営会議,13日に今年保健学研究科を退官される教授お二人の最終講義,16日に研究室のミーティング,18日に教授会と予定が詰まっていて,19日と20日は休暇を取ってあって,18日の夜行バスで長野に帰り,22日の昼のバスで関西に戻ってくることになっているので海外に行く余地が無い。いろいろと縁が深かったお二人の最終講義に出ないわけにもいかないので,ミーティングをずらすしかないか。
- カンボジア打ち合わせが20:30を過ぎたので,三宮に泊まっているというMさんと一緒に地下鉄に乗り,三宮で晩飯。が,21:00を過ぎていたせいか,行こうと思っていた店が閉まっていた。仕方ないので駅前の宮本むなしでおろしカツ定食を食べ,直通バスでひよどり台に帰った。
△Read/Write COMMENTS
▼前【887】(4コマ講義から急遽3コマ講義に(2015年1月8日)
) ▲次【889】(今日も院生の相談とか(2015年1月10日)
) ●Top
Notice to cite or link here | [TOP PAGE]