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【第1216回】 論文指導とか査読とかの日に『京大式 おもろい勉強法』読了(2016年1月21日)
- 6:00起床。寒い。昨夜のスープの残りを温め直した他,餅2個を電子レンジで加熱してカッテージチーズを載せて海苔で巻いたもので朝食。3番のバスで出勤し,昨日の会議でわかった教務関係の問題点を伝えに事務に行ってきた。9:00から論文指導。
- 12:15頃に終わって昼飯(ダイエーで買ってきた海藻サラダと稲荷寿司詰め合わせ)を済ませ,13:00から学生の研究計画にコメントし,その後は修論などの査読。
- 太陽系で海王星の外側に新惑星があるという新しい論文が出て,Natureの紹介記事とか,東京新聞の記事とか,騒がれている。AstroArtsの記事が詳しい。関連してこのtweetとその続きも興味深い(この記事が詳しいが,現在近畿大学准教授のPatryk Sofia Lykawkaさんが神戸大学のポスドクだったときに出した論文は,地球よりやや小さい第9惑星を予想していたので,今回の論文はこれとは違っている)。
- 太田裕美さんのこのtweetを見たので,直通終バス1本前で帰宅。「木曜8時のコンサート」は,作詞家松本隆特集だったのか。曲は予想通りというか,木綿のハンカチーフだったが,オリジナルアレンジと思われる演奏だったのは良かった。ただ,この季節に松本隆特集で太田裕美さんの歌ならば,街の雪とかスカーレットの毛布を聴いてみたかった。アルバム曲だとファンしか知らないから,この場面で選ばれないのは仕方ないのだが残念。でも,来週は「さらばシベリア鉄道」を歌ってくれるようだ。上条恒彦「出発の歌」までやってくれると来たら,これは録画予約必須だな。
- このところ,移動中の読書は,山極壽一『京大式 おもろい勉強法』朝日新書,ISBN 978-4-02-273642-0(Amazon | honto | e-hon)。タイトルから勘違いしそうだが,実は全然いわゆる勉強法の本ではなく,体験を踏まえたフィールドワーカー心得のような本。これほど共感できる本は少ないというくらい,ぼくの体験とも合っている。フィールドワークをする学部生や大学院生は必読。4章,5章あたりは,鄭君の理系道徳本とも整合性がある見方であった。狩猟採集民の協力を得てゴリラの観察をしてきた山極さんが,鄭君が倫理や道徳の先行研究のレビューを経て見い出した道徳における『2番目の掟:仲間と同じように考え行動する』を,『「われわれ」と「彼ら」の区別と「彼ら」の敵視による相対的な「われわれ」の強化』で,それはたかだか1万年余りの歴史しかもたない共同幻想で,人類の本性にはなっていないはずだというのは説得力がある。この2冊の本がベストセラーになるくらい読まれてくれれば,世界はもっと良くなると思う。そういう意味ではすべての人が読むべき本。
- 洗濯をしながら鶏もも肉ぶつ切りと野菜を炒め,レトルトご飯を電子レンジ加熱した晩飯を作った。
- Zika feverがブラジルで流行し,妊婦が感染すると児が小頭症になるというニュース。かつてイタリアのサルディーニャ島でマラリアが流行していた頃,低地農民の間では妊娠したら街から外に出ては行けない(=農地に行ってはいけない)というタブーがあり,そのおかげで農地に多いハマダラカに吸血されてマラリアに感染するリスクが下がっているという行動適応があったのは有名な話だが,Zikaウイルスを媒介するのはAedes属,つまりヤブカなのでごくわずかな水たまりでもボウフラが育ってしまい,デング熱やチクングニア熱と同じく,都市での流行を防ぐことが難しい。ヤブカを減らすには徹底的に開放水面を無くすしかないので,下水を暗渠化し,水が溜まるような空き缶などは徹底的に排除し,下草を刈り,公園の樹木や街路樹には殺虫剤を掛けてやるという手はあるのだが,これは大変難しい。東京でさえ,代々木公園や新宿御苑のような大きな公園にはAedes属であるヒトスジシマカがたくさんいて,デングウイルスを媒介してしまうわけだから,常夏の(最も気温が下がる6〜7月でさえ日最低気温が18℃,最高気温が25℃程度)リオあたりでは余計に対策が難しいだろう。となると,Oxford卒の人たちが作ったベンチャーが遺伝子組み換え蚊を放って蚊を減らすというプレゼンをTEDでやっていたが,ああいう対策しかないのかもしれない。
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