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【第1827回】 GW最終日に(2018年5月6日)
- 朝食
- 7:00起床。うどんを茹で,昨夜の帰りにコンビニで買った筑前煮を載せて朝食。
- イチロー選手
- 何となくサンデーモーニングを見ていて思ったが,イチロー選手をこの時期にああいう契約にするということは,マリナーズのフロントは最初からこうするつもりだったんだろうな。商売上手。たぶん義に厚いイチロー選手が,こういう話のもっていき方をすれば断れないことも計算済みだった。本音では現役に拘りたいとしても,イチロー選手はああ言うしかないだろう。そう考えるとマリナーズのフロントのやり方は卑怯だな。
- 吉岡さん活動再開?
- トヨタホームのCF,以前から吉田羊と松岡茉優の母娘役は良いなあと思っていた(ドラマ『コウノドリ』の小松さんと下屋さんでも絶妙なコンビだし)。今回BGMで中島みゆき「糸」のカバーが使われていて,さらにいい雰囲気になっているが,歌唱が「放牧中」いきものがかりの吉岡聖恵なんだな。これって新録? としたら,そろそろ復帰するのだろうか。
- 川嶋志乃舞さんの新作
- ▼ふとYouTubeで目にとまった,川嶋志乃舞 【プレミアムフライデーまで待ちきれない】MV FULL。「遊郭ディスコ」もそうだったが,この曲も歌詞の世界観は好きではない。が,かつての泰葉みたいなパンチ力のある歌唱,メロディとリズムのセンス,ビジュアル,もちろん三味線,すべてが中毒性ある天才である。
▼で,Amazonデジタルミュージックでこの曲を含む『月曜日のマドンナ』をダウンロード購入してしまった(1,800円は激安と思う)。まさしく天才の仕事で,「ショコラトーク feat.渡邊シン」は素晴らしいインスト曲だし,「南部茶屋ふくし」「花笠音頭」は民謡の新しい魅力に目を開かせてくれたし,「東京タワーラプソディ」は歌詞も素直で大変気に入った。「漱石のこと」は,詩の世界がいろいろ深くて楽しむのに教養が求められるけれどもセンスが良くて好きな曲で,三味線の格好良さが一番際立つのは,「花千鳥」というインスト曲だと思う。エンディングの「ロリポップ」は「キラキラシャミセニスト」川嶋志乃舞さんの決意を高らかに歌い上げた,可愛くて格好いい名曲。エレキギターやドラムと三味線がこんなに格好良くコラボできるとは。これはライブで聴きたいなあ……とtweetしたら,ご本人から「ライブはもっとバンドメンバーとばちばちにかますから見にきてね!」とのご返事があった。関西でやってくれたら(ビルボードライブ大阪で21:00からとかが希望)万難を排して行くので,その日をお待ちしたい。
▼ちなみに音楽で世界に挑戦しているミュージシャンは掛け値無しに素晴らしいと思っていて(たぶんハーモニーの素晴らしさは世界でも指折りのリトグリも道を間違えなければ近い将来そういうレベルに到達すると思っているのだが),川嶋志乃舞さんも,NyatitiのAnyangoさんとかPianoの上原ひろみさんに匹敵するくらい唯一無二な高い志をお持ちだと思うし,ブログなど拝見しているとそれを語る言葉もありそうなので,本も書いて欲しいところ。Nyatitiと三味線のコラボとか良いと思うんだがなあ。
- 健康と栄養
- ▼月曜の環境・食品・産業衛生学のトピックが栄養なので2冊の本を買ったこともあり,その関連のネタを少々書いておく。帯の惹句によると「生化学×最新医療データ×統計データから,医学的エビデンスに基づいた,本当に正しい食事法を1冊に網羅」と謳う,牧田善二『医者が教える食事術 最強の教科書:20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』ダイヤモンド社,ISBN 978-4-478-10221-3(Amazon | honto | e-hon)と,『「原因と結果」の経済学』の因果推論の明快な解説が印象的だった,津川友介『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』東洋経済,ISBN 978-4-492-04624-1(Amazon | honto | e-hon)である。
▼ともに書店の店頭で平積みになっていて,よく売れているようだった。どちらも著者は医師だが,牧田氏は生化学を研究していた糖尿病専門医で臨床も長い方,津川氏はハーバードでMPHをとっていて,内科の臨床もやっているがUCLAのAssistant Professorでもある研究者とスタンスは異なる。
▼牧田氏の本は一部(近藤正二『日本の長寿村短命村』サンロード,1972年など……これを取り上げておいて,それより新しい世界の長寿村の食事研究をした家森幸男への言及がない理由も良くわからないが)を除いて出典が明記されていないのが大きな欠点だし,記述の定量性が乏しくて,いろいろと疑問点が多い。アルコールやチョコレートの礼賛など極端な記述が多い。
▼それに対して津川氏の本は,すべての記述に引用文献が明示されているのは良いし,記述に定量性があり,対象集団を含む研究デザインまで明記されている点は素晴らしい。
▼しかし,どちらも食物摂取と肥満や高血圧の関係を調べた結果に基づく,食材評価の本であって,「食事術」にはなっていないという医学の限界もわかる。エビデンスに基づくためには,栄養素単位での考え方を否定しながらも食材単位でしか記述できなくなるのは,ある意味仕方がない。しかし実際の食事をどうやって食べるか考えたら,献立単位で考えなくてはいけない。サステナビリティを考えたら地産地消とか食文化も考えるべきで,オリーブオイル礼賛には疑問符。たぶんエビデンスが少ないのだと思うが,多価不飽和脂肪酸含有から考えたらごま油も同等に良いはず。
▼魚を水銀含有量を除き十把一絡げに扱っているのも変で,食事調査の際にそうなっている論文が多いからエビデンスを求めたら仕方ないのだが,栄養学的にも献立の作り方についてもイワシやアジとサケやマグロは全然違うので区別すべきでないか。
▼塩分摂取の影響については,INTERSALT研究の結果で他集団に比べて日本人と中国人では摂取量の割りに血圧が高くなっていないことはわかっていて,それは未だに否定されていないわけだから,そこも踏まえるべき。そもそもカリウム摂取とのバランスが大事だし,食事の仕方を謳うならば,やはり各食品単独の影響の記述ではなく,献立で考えなくては不十分。しかし献立の影響という枠組みで研究されたものは少ない。逆に言うと,現状レベルのエビデンスで和食をディスるのはどうかと思う。
- パブリックヘルスの課題
- ▼よく医師その他の専門職資格をもつ人は勘違いしているが,パブリックヘルスにおいて臨床経験なんてたいしたアドバンテージではない。人は健康で普通に社会生活を送っている期間の方が病院や診療所で医療のお世話になっている期間よりも圧倒的に長い。そういう意味で,パブリックヘルス(や保健学)では,臨床経験など,人類学的なフィールドワークに長い経験をもつことや,PTA活動や地域活動に主体的に関わった経験をもつこと,もっと言ってしまえば家事や育児をすることと,せいぜい同等の価値しかない(これらのどれもPublic Healthの5つのコア科目には入っていないが,実際に公衆衛生政策を立てる上では役に立つはずだし,そういう意味で臨床経験の寄与も否定はしない。ただ過大評価しない方がいいと思っている)。
▼日本では歴史的に東京大学以外のほぼすべての保健学科は医療技術短大が改組されてできたもので,パラメディカルあるいは医療補助専門職の養成課程として発展してきたし,SPHでさえ医師が中心となっている医学部を母体にしないと成立させようがなかった。これは大変不幸なことだと思う。
▼もっとも,国際的にも,アルマアタ宣言やオタワ憲章や"Health in All Policies"のヘルシンキ声明など随所で,健康のためには医療だけでなくすべての政策での配慮が必要であることに触れられているにもかかわらず,実際にWHOやCDCの中心になっているのは医師であって,健康増進や心のケアよりも疾病予防や治療に重点がおかれているのが実情である。このことがいろいろな問題の原因になっているが,きわめて構造的な問題なので解決の糸口が見つからない。どうしたらいいのだろうか? ということを,この20年くらいずっと悩んでいる。
- ドラゴンズの試合
- 今日も負け。チャンスであと1本が出ず,ピンチでエラーをしていては当然か。あまりに酷い守備で,谷元投手が気の毒だった。それでも終盤に高橋周平選手とアルモンテ選手のホームランで追い上げたのは希望が持てた。しかし,最近5試合での打率も高く,データからすればピッチャーの左右に関係なく打っていて,守備も堅実な高橋周平選手がスタメン落ちしているだけではなく,代打だけで引っ込めてしまうのは,体調が悪いか何かなのではないか。もし守れる状態ならば高橋選手と亀澤選手(データからすれば亀澤選手も左投手を苦にしていない)をスタメンで使わない手はないだろう。
- 今日の仕事
- メールの返事と講義ミニレポートの採点に思った以上に時間が掛かってしまい,研究費申請関係の仕事が進まなかった。
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