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【第1985回】 長崎に飛んで日本熱帯医学会理事会(2018年11月9-11日)
- 6:30起床。久々に7時間以上眠ったので疲れが抜けた気がする。
- 今日からLittle Glee Monster「世界はあなたに笑いかけている -winter ver.-」の配信販売が始まったので,早速moraでダウンロード購入した。既にコカコーラのクリスマスバージョンのTVCFで一部流れているが,アレンジを変えるだけで,こんなにイメージが変わるのかと驚く。これはこれでありだな。
- 今朝は豚バラ肉と青梗菜とナスを炒めた具材を載せたラーメンと,チルドの餃子をごま油で炒めて蒸したものを作って食べた。ちょっと食べ過ぎかも。コーヒーを淹れて水筒に詰めて出発。
- 暫く名谷キャンパスで仕事をしてから神戸空港に移動し,SkyMarkで長崎へ。長崎空港からバスで終点まで乗り,歩いて長崎大学に着いたら理事会は報告事項が終わりかけたところだった。審議事項が無事に終わってから熱帯医学会のサテライトセッションを暫くきき,ホテルにチェックインしてから大会長主催のパーティに参加するため宝来軒別館へ。大変美味い食事を堪能してからホテルに戻って,ほろ酔い加減で眠ったまでは良かった。
- 翌朝,Dynabookがハングアップしていた。良くあることなので再起動しようとしたが,どうしても起動しない。朝食をとって帰ってきても状態が変わらない。今日はどうせ丸一日熱帯医学会参加だからPCは使わないが,gmail以外のメールを受けられないのが困る。どうしよう? とりあえずそのまま放置して長崎大学に向かった。(以下,Dynabookが使えないのでtweetしたものを採録)
- まずは熱帯医学会シンポジウム1-1。インド洋の気象データから機械学習とdlnmを使って南アフリカのマラリア流行を予測するモデルの話。詳細はよくわからないが面白い。1-2はケニアのWebベース(mSOS)で病院からデータを集めるサーベイランスシステムをSATREPSで開発して運用しているという話らしい。システム導入によって報告率が上がったとのこと。1-3は東大のDr. Eiji Ikomaによるビッグデータ解析の話。ビッグデータとはエクセルで扱えないデータのこと、とか、ジョークっぽいが面白い。Society5.0、Socio-sense、IoTから得られるビッグデータとか、第四のパラダイムとか。DIASというシステム。1980年代からのハードウェア開発の歴史。DIASはクラウドではない、データセントリッククラウド。毎日1TBのデータが自動的に蓄積されていく。AIによる解析が必要になる。が、写真からのパタン認識もまだ性能不十分。開発途上。結構誤認識する。次世代はhuman health to earth healthとのこと。1-4は熱研の金子さん。NTDsのモニタとサーベイランスのニーズ(アフリカで)。衛星画像の活用。Multiplex。ケニアのDHSSと血清疫学データを統合して解析してわかること。衛星画像から自動的に家のタイプを判別するCsis。
- 缶コーヒーを買いに行ってきたら(キャンパス内に自販機が見つからず意外に時間が掛かってしまい)2-1(北大の高田先生の話だから面白そうだったんだが)は終わっていた。2-2は押谷先生によるRSVのコホート研究の話。2-3はGHITから資金援助を受けてSE36というマラリアワクチン開発中の話。日本人では全員が抗体陽性になったが、流行地での治験ではプラセボに比べ有意な感染防御効果があったが、免疫がつかない人がかなりいた。免疫学的寛容が起こってる? 新しいアジュバントで治験中。今のところSAEなし。
- 昼は評議員会。 来年は60回記念大会で、沖縄コンベンションセンターで11月8-10日。大会長は琉球大学の山岸先生。学会誌TMHに会員が投稿する場合、年内に投稿しサポートを利用すれば450ユーロの掲載料で済むが、年が明けると倍以上になる見込み。それでもBMCのオープンアクセスとしては安いが,出せそうな原稿があるなら年内投稿をお薦めする,と編集委員長のお言葉。
- 各賞受賞講演,男女共同参画ワークショップに続きポスターセッション。リオデジャネイロでこれまで三日熱マラリアと誤認されていたがサルマラリアのP. simiumがヒトでも流行していたことがわかったというポスターに目を惹かれた(神戸に戻ってから検索したら,既にLancet Global Healthで論文になっていた)。懇親会でもたらふく食べてホテルに戻った。
- 結局,Dynabookは何をしても起動しないので,諦めてスマホから通販でLIFEBOOK WS1を注文して楽天ペイで精算しようとしたら,PCが起動しないと楽天のログインとパスワードがわからない罠。神戸に帰ったら大学に行ってバックアップを確認しなくては(で,神戸に戻ってからスマホでログインしたのだが,LIFEBOOK WS1の注文が受け付けられたようには見えない。どうしたら良いのだろう?)。
- 明けて日曜朝。今朝のシンポジウム3-1はハンセン氏病とトリパノゾーマの診断法の確立という講演から。今年の(というか,グローバルヘルス合同大会以外の年はすべてそうだが)日本熱帯医学会は、ポスター以外すべてプレナリーなので選択の余地がない。それだけに初めて聞く話が多い。ある意味面白いが。3-2はマラリアの検査法のイノベーション。ゴールドスタンダードのギムザ染色したスライドの鏡検は技術者が育たない問題。RDTは感度も特異度も問題あり。PCRなどはPOCDでない。そこでCDプレイヤーのような検査機器MCDを開発した。3.3分/サンプル。不顕性でも感度100%も特異度92.8%と高性能。コストは? サンプル量も2μLで良い。イメージリーダーはソーラーパネルでも駆動する低消費電力。あとは原虫種の鑑別と血小板がバックグラウンドで光って偽陽性が出ることを何とかするために血小板除去を上手くやるのが課題。感染強度はわかるか? という質問には、すべての原虫血症を検出するとの回答。でもたぶん発色強度でわかるだろう。3-3はアジアの住血吸虫(ゴールドスタンダードは便サンプルのKato-Katz)のためのPOCTをフィリピンで試した報告。いくつかの抗原を組み合わせれば感度も特異度も高くなりそう、という。SchistDetect(TM)というプロジェクト。3-4は手のひらサイズのデバイスでリアルタイム解析が可能になったゲノムデータを使ってエボラと戦う話。流行中に毎月平均2箇所で変異が起こっていくウイルスなのでゲノムデータ解析に意味がある。2015年のシエラレオネでの流行では、この技術を使ってウイルスのゲノム解析をし,流行初期から最後の患者から検出されたウイルス株までの変異が小さいことから,生存者の中で生き残ったウイルスが継続的感染源と示唆されたとのこと。プレゼンが滅茶苦茶格好良い。大会長から資金源についての質問があった。この活動自体はresearch grantという返事。しかしチェアからの補足によると、UK政府はこのエボラアウトブレイクからの公衆衛生システム復興のために1000万ポンド出したらしい。3-5マールブルグ病ウイルスの伝播研究大変そう。BSL4のラボでfruits batとbat fliesを飼って、たぶんfliesは介さず、コウモリ間で直接鼻と鼻などの接触で伝播するだろうと示唆。
- 門司さんと昨日の男女共同参画ワークショップで壇上にいらした方々のうち3人と昼飯に出かけ,大変美味なオードブルとパスタとコーヒーを食べて1000円は安かった。門司さんが教えてくれなかったら絶対にわからない店だったな。
- というわけで,飛行機の時間もあって食後はバス停まで歩き,空港行きのバスに乗って15:30頃長崎空港に着いた。『辺境メシ』を読んでいたらあっという間にボーディングになり,SkyMarkで神戸へ。
- 名谷PATIOで弁当を買って研究室に来て,晩飯を食べながらDynabookのHDD内容のサルベージ作業。VAIO-SAに作業フォルダとメールフォルダを全コピーできたので,ID Managerを起動して楽天IDとパスワードを確認してスマホからログインし,VAIO-SAでこの2日分のメールを受信。返事を要するものが山ほどあって対応中。これ帰れるのか?
- 何とかメールの返事が終わったところで23:45なので帰途に就く。VAIO-SAは内蔵ディスプレイがダメで(先日修理したが3ヶ月くらいでダメになっていて),外部ディスプレイを接続できる環境でないと意味が無いので持ち帰れない。
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