Latest update on 2021年7月4日 (日) at 18:43:39.
【第157回】 コンゴ民主共和国のエボラがPHEICに(2019年7月18日)
- ProMED-mail postやBBC Newsを見て,DRCのエボラ流行が大変心配な状況であったが,国際保健医療学会代議員のメーリングリストに,首都キンシャサにいらっしゃる仲佐先生から流れたメールで,PHEICが宣言されたことを知った(参考:厚生労働省サイトからのニュースリリース)。DRCの流行地が紛争地帯であるため(外務省の海外安全情報によるとキンシャサはレベル2だが流行地はレベル4で日本人は退避せねばならないし入れない),海外からの保健医療専門家もあまり現地に入れないそうだ。リングワクチネーションを計画しているが実行が難しいとのこと。
- 政府は信用できないしエボラなんて知らないし死体を埋めることは大事なんだ! と住民が大きな声で訴える動画も公開されていて,公衆衛生学特講と医療人類学特講でこの件に触れたが,15日にGOMAという200万都市で1例,隣国で1例の患者が見つかったことがPHEIC宣言の鍵だったと思う。既に封じ込めには失敗し,パンデミックのリスクさえ無視できないという事態に至り,住民の疾病観や文化を尊重しつつも対策を進めるということが可能なのか,大変難しい問題。
- 6限のミーティングが終わって帰宅したのは21:00頃だったが,テレビを付けたら報道は京都のアニメ会社への放火事件一色であった。多数の死傷者が出て大変悲惨な酷い事件だと思うし,ガソリンの危険さや建物の構造上延焼が速かったことなどを知らせる社会的意義も間違いなくあるので,芸能事務所社長の追悼一色だった数日前よりは理解できるが,参院選やDRCのエボラがPHEICになったことが全部飛んでしまっては報道責任を果たしていないのではないかとも思う。
- ドラゴンズは横浜に移動してベイスターズとの試合だったが,7-3で8連勝。
- 安倍政権は財界とネトウヨに阿るばかりで経済も外交もマイナスになることしかしていないよなあ。しかも外交上のマイナスはかつて葛西敬之氏が海外での戦争待望を漏らしたように防衛装備庁を作って武器輸出を原則禁止していた原則をぶち壊したことから財界にはプラスになる可能性があって,意図的にやっているのかもしれない。戦争は世界にとってマイナスでしかなく,DRCのエボラ対策上大きな障害になっているのが紛争であることだけ考えても,たとえ局地的な紛争であっても(もちろん人道的にも許されないし)世界中の人々の生存を危険に曝すことになる,と考えられないのだとしたら,致命的に想像力が欠落している。トリクルダウンなどありえなかったことを現実が証明してくれたので,いくら財界を儲けさせても一般消費者である国民の家計には反映されないし,それでは消費は伸びない(どころか,秋には消費税を10%に増税する予定だから,むしろ冷え込むはずだ)から経済成長などするはずもなく,アベノミクスが失敗したことは明らかだ。それでも財界関係でもネトウヨでもないのに安倍政権を支持する人は,何を考えているのだろう? 安倍首相がトランプ大統領とゴルフをしている報道が良くあるが,そもそも外交や行政をそんな縁故や個人的な好き嫌いで進めてはいけないから外交官や公務員を何年かごとに配置転換しているのに,ゴルフをやって仲良しアピールをすることは外交関係にとってはマイナスでしかないだろう。Wikipedia英語版にはドナルドトランプとゴルフというトピックがあり,安倍首相とトランプ大統領がゴルフをしている写真が載っているのだけれども,裏を返せば他国のトップはトランプ大統領とゴルフはしないんじゃなかろうか。リンクしたWikipediaの記事によると,トランプ大統領はゴルフコースをたくさん所有していて,普通は大統領になると手放すものだがそうはせずに,自分の息子であるドナルドトランプジュニアとエリックトランプが経営するトランプ財団に管理させたことがCOI上問題があって倫理的にいかがなものかと批判されているし,選挙中はオバマ大統領がゴルフをしすぎだと批判していたトランプ氏が,オバマ氏は一度もゴルフをしなかった就任後8週間の間に11回もゴルフコースに出たという自己矛盾に満ちた行動をしており,たぶんトランプ大統領とゴルフをするということは,世界中の心ある人から見たらマイナスイメージにしかならない気がするが,それを嬉々として仲良しアピールに使う安倍首相は,どう考えても首相には不適任だと思う。取り巻きやブレーンも含めて,ともかく早く退陣して欲しい。改憲して戦争参加するという愚だけは避けたいので,今回の参院選は与党に大敗北して欲しい。衆院選ではないし参院でも与野党の議席数は逆転しないから政権交替とはいかないにしても,与党が大敗北すれば永田町の理屈で安倍政権は退陣する可能性はあるんじゃなかろうか。上述の通り,経済でも外交でも支持する理由は一つもないのだから,何となく現与党に投票してきた人や,これまで棄権してきた人は,是非日曜に与党以外に投票して欲しいと思う。
(list)
▼前【156】(会議とか講義とか(2019年7月17日)
) ▲次【158】(会議など(2019年7月19日)
) ●Top
Notice to cite or link here | [TOP PAGE]