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【第274回】 ミニレポート採点とか(2019年12月25日)
- 7:30起床。レトルトご飯を電子レンジ加熱し,納豆を掛け,インスタント味噌汁と合わせて朝食。
- 名谷キャンパスに出勤し,まずはミニレポート採点を終わらせる。
- ふと目について注文していた,安元稔『イギリス歴史人口学研究:社会統計にあらわれた生と死』名古屋大学出版会,ISBN 978-4-8158-0954-6(Amazon | honto | e-hon)が届いていた。後書きを見たら,先頃亡くなった速水融先生に謝辞が捧げられていた。本書の出版は6月だったから,速水先生のご存命中に間に合って良かった。黒須さんにも謝辞が捧げられていた。これまでも日本の宗門人別帳を分析した本は何冊か読んだし,欧米のParish recordを分析した論文や本も読んだが,イギリスに特化した歴史人口学の本は初めて見たかも。面白いことに疫学では絶対に外せないFarrとSnowのロンドンのコレラ流行の話はほとんど触れられておらず,逆に腸チフスについて詳細な検討がなされていた。分野や視点が違うと,こうも見え方が違うものか,というのがパラパラめくってみた時点での感想。
- 神戸大学の広報誌「風」Vol.14が配布された。特集1として紹介されている,木村建次郎教授(数理データサイエンスセンター・大学院理学研究科)が開発されたマイクロ波マンモグラフィ(AMED理事長賞を受賞している。今回の特集記事の内容は,テッククランチの記事とほぼ情報としてはかぶっていると思う。膳場さんとの対談記事の方が詳しい)は,乳がん検診技術に革命を起こすかもしれない。マンガ「コウノドリ」でも紹介されたように(もしかすると「ラジエーションハウス」だったかもしれない),50歳以下では世界のどこでも半数以上を占めるDense Breast(アジア人ではとくに多い)の人は従来のX線マンモグラフィでは画像が白くなってしまって乳がんが検出しにくいことが,これまでの乳がん検診の大きな問題だった。X線と違ってDense Breastでも深くまで届くマイクロ波を使って計測したデータを,木村教授が波動散乱の逆問題を解いたことで使えるようになった多重経路散乱場理論を使って,きれいに迅速に3D画像化できるようになったというのだ。解析的に解いたのでリアルタイムで画像化できるというのも利点だし,低出力のマイクロ波を使うので侵襲がほぼゼロというのも利点だし,X線マンモグラフィは乳房を強く挟むため痛いという欠点もあったが,この機械だと挟む必要がないので痛くないという利点もあるし,誰がやっても同じ映像が撮れるというのも利点だし,良いことばかりのように見える。感度と特異度が十分に高ければ,乳がん検診のスタンダードになるだろう。Dense Breastにも使えるとなったら,スクリーニングスケジュールも変わるだろうし,初期の治療法の開発も進むだろう。いろいろと波及効果も大きそうだ。
- ミニレポートの採点と入力が終わった。講義では言わなかったのに,エリスリトールも添加物ではなく食品扱いだということを書いた学生が1人いて驚いた。
- リトグリのニューアルバムが来年2月発売ということでメモした。
(list)
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