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【第299回】 博論審査会とGSICS院生の修論チェックの日に2019-nCoVがPHEICに(2020年1月31日)
- 7:00起床。豚肉野菜炒めとレトルトご飯と野沢菜昆布載せ冷や奴で朝食を済ませた。
- 今朝のハフィントンポストの高山先生の記事をリンクしておく。
- テレビで,WHOが2019-nCoVのアウトブレイクについてPHEICを宣言したという報道(それを受けた厚労省のリリース)。時間の問題だったが。
- PHEICはIHR2005で規定された概念で,IHRの枠組みについてはこの厚労省の資料が参考になると思う。加盟各国政府は,ここからリンクされている附録に書かれている体制と能力を備えなくてはならず,日本は達成していると評価されているが,すべての国で2012年までに整備するという目標は達成できなかった。
- 去年のエボラもPHEIC宣言されたし,CFRが高いのでアフリカでは大きな問題だったが,それほど感染力が強くなくてパンデミックになる可能性は低かったので,たぶん多くの先進国にとっては,IHR2005に基づいた対応は続けていても,どこか対岸の火事だったと思う。2019-nCoVはCFRはエボラよりずっと低いが(とはいえ,現在の推定値だと季節性インフルエンザより2,3桁大きくスペイン風邪と同等),感染力が強いので,パンデミックになる可能性が高く,世界中どこの国にとっても他人事では済まされない。
- 博論審査会にも行くつもりだったが,GSICS院生の修論の最終チェックを優先してやっているので行くのは無理そう。自分が審査や指導に関わっている博論はacceptが間に合わず2人とも延期になったので問題は無いが残念。
- 13:40頃にGSICS院生の修論への指導が終わったので,後は無事に印刷して提出してくれることを祈るのみ。
- 弁当を買ってきて昼飯。メール対応していたら博論発表会は終わってしまった。修論審査結果報告書作成に着手。
- 報告書は終わらないが,月曜の公衆衛生学期末試験問題を先に作っておかないと安心できない。ミニレポートもチェックしなければ。
- メールで仕事が増えた。引き受けたくなかったが仕方ないだろう。
- いつの間にか20:00近いが,試験問題に完成の目処が立たない。
- メディアが死亡率とか致死率とか呼ぶことが多い指標,何度かCFRという略称を書いているが,正しくは致命割合(確定診断がついた患者のうち,その疾病で亡くなる割合)という。以前はCase Fatality Rateと呼ばれていた。しかし定義から明らかなようにRateではないので(分母が人時ではないので),最近の疫学者はRatioを推奨する人が多かったように思う。2009年のパンデミックインフルエンザのときは,分母を確定診断がついた患者で計算した場合をcCFR,症状がある患者で計算した場合をsCFRと区別しようという話もあった。2019-nCoVについて最近出た西浦さんたちの論文では,Riskとなっている。確かにRiskは疫学的にCumulative Incidenceと同じで,要因に曝露した人のうち観察期間内にイベントが起こった人の割合を示す用語なので,Ratioよりも正しい。
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