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【第320回】 神戸に帰還(2020年2月24日)
- 漸くテレビに出ているコメンテータも,感染速度を下げることによってピークを下げピークを後方シフトさせることが必要(community mitigationの目的)という,まともなことを言うようになってきたが,まだいろいろ認識が甘かったり間違っていたりする(急に重症化しないのか,という話で,玉川氏が基礎疾患のない若い人は自宅で,と言っているが,そこは相変わらず誤解していて,若くて基礎疾患なしでも重症化する人もいる。つまり,高齢者と基礎疾患のある人が重症化しやすい,という情報を,それ以外の人は重症化しにくい,と誤解しているコメンテータなどがあまりにも多すぎる。日経新聞の取材に答えてそこだけ記事になったときと事情は変わっておらず,ウイルス検出時点でAUCが0.99になるようなROCが得られる検査項目は,いまだに見つかっていない。むしろ,COVID-19でなくても肺炎だったら入院するのは当然なので,肺炎かどうかを基準にすることはできないのだろうか?)。情報バラエティは全部やめて,NHKが1月28日に放映した「クローズアップ現代プラス」と2月9日に放映した「NHKスペシャル」を再放送するとか,いっそ特例で動画公開するとかしてくれた方が,まともな認識が広まると思う。報道は淡々と新しい事実だけ伝えてくれれば良い。
- 新薬は安全性の治験が間に合わないだろうが,クロロキンが有効(in vitroではウイルスの細胞への侵入を低濃度でもブロックすることがわかり(ウイルス学者に頑張って貰ってメカニズムも明らかにして欲しいが),いま中国の多施設で大規模治験中)という報告には期待が持てる。クロロキンは安いし,マラリア予防で週1回内服して血中濃度を保つという使い方も長くされてきたし,副作用もほとんどないし。大規模治験の結果が待たれる。
- どこまでオープンな情報なのかわからないが,Facebookで西浦さんと渋谷先生の対話を見ていたら,これからの対応に希望がもてた。専門家会議で尾身先生と押谷先生がリーダーシップをとってくださり,新しい組織作りが進行中とのこと。ここで政治家(+そこに付き従う普通の官僚組織)は変な横やりを入れず,新組織が存分に動けるようにバックアップして欲しいし,世間一般の人たちも,そういう方向で政治家を監視するべきだろう。
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