Anderson RMとかHeesterbeek Hといえば理論疫学の大御所で,いま理論疫学をやっている人は,ほとんど"Infectious Diseses of Humans"とか,"Mathematical Epidemiology of Infectious Diseases"で勉強したことがあるはずだが,彼らがLancetに寄稿したコメント,"How will country-based mitigation measures influence the course of the COVID-19 epidemic?"は,死亡と経済影響の両方を最小化することができないために,国によってCOVID-19に対してとっている緩和方策が違っているので,それがCOVID-19の流行過程にどのように影響するのかを論じている。ただ,この大御所たちにして,CFRとIFRの区別をしておらず,季節性インフルエンザのCFRが0.1%のオーダーだというLi L et al.のAm. J. Epidemiol.の2018年の超過死亡を扱ったレビューを引用しているのは残念だ。Heesterbeekなんて西浦さんや稲葉さんとつながりあるはずだから,JCM特集号の西浦さんのEditorial第2弾くらい読んでくれても良いのになあ。もちろん,Prof. Lipsitchが「(各国がとっている)対抗策の秀逸なレビュー」とtweetしている通り,それ以外の部分はさすがと思うが。