2003年9月のメモ

最終更新： 2003年 10月 1日 (水曜日) 14時08分
火曜日の朝は雲一つない晴天。窓から青空を眺めながら，後期の講義計画作りの続き（本当は日曜に終わらせようと思っていたのだが，昨日も終わらなかった）。日程的に妙な休みが入ってしまうのは嫌なのだが仕方がない。何かつなぎを工夫しよう。14:30頃，一応，講義計画ができたのでアップロード。看護情報処理論はあまりに変則的な日程なので掲示もしておこうと思う。教務課にも連絡しておくべきだろうな。
川端裕人「リスクテイカー」が文庫になった（文春文庫）。またも御恵贈いただけてありがたいことだ。川端は要らないというかもしれないが，恩返しに「Rによる統計解析の基礎」を謹呈しよう。そういえば，そろそろ謹呈リストを作らねば（といっても，出版社はやってくれないそうなので，自分で郵送するのだが）。この文庫版の恩田陸の解説は実に鋭い点をついていると思う。世界を変える側に，当然のように「ぼくたち」が入っているというのは，確かに世代的特性なのかもしれない。ノンフィクションと同じタッチでフィクションを書いているというのも同感だし，バランス感覚がいいというのも。そこが物足りないと思う人もいるだろうが，川端に筒井康隆を求めても的外れだろう。
29日月曜は洗濯と会議とコンピュータ相談と看護学部サイトの更新で終わった。
書き忘れていたが，「ちくま」がなくなるのを契機にちょっと調べてみたら，これまで気づかなかった長野往復の経路を２つ思いついた。１つは，新大阪から急行「きたぐに」を使う方法である。「きたぐに」は「ちくま」と違って座席の指定席がなく，自由席と寝台だけなのだが，新大阪を23:32に出て直江津で信越線に乗り継げは7:40に長野に着けるし，名古屋回りでも直江津回りでもそれほど大きな乗車距離の差はないことがわかったので，実はいい代替手段なのだ（体力的に辛いかもしれないが，自由席を使えば「ちくま」を使うのと料金は大差ない）。もう１つは，新幹線を使わずに，新山口と名古屋の間を寝台特急に乗る方法。これだとバスを使うより3000円ほど高くなってしまうがタイミング的には悪くないので，疲れたくないときに乗ってみることにしよう。
日曜日はちょっと寝坊。玄米ごはんと昨日の夜作った豚肉＋ししとう＋ピーマン＋ナス＋キャベツ炒め（豆板醤＋醤油風味）の残りとヨーグルトドリンクのブランチを食べて研究室に着いたのは12:00頃になってしまった。事務仕事の続き。19:00頃までかかって，後期授業時間割振り表の作成と（作成自体はどうってことないのだが，カラー出力しなくてはいけないのが面倒），小倉で行われる国際保健医療学会の宿泊予約を（旅の窓口で）完了。あとは後期の各講義の具体的計画作りと疫学の追再試の採点までが，今日中にやっておくべき仕事だ。
土曜日は編入試験の面接。疲れた。その後，月曜までに終わらせねばならない事務仕事を始めたが終わらず。日が暮れてから晩飯用の食材を買いにマリンに行くついでに隣の明屋書店に寄ったのが失敗で，つい買ってしまった今野敏「わが名はオズヌ」と垣根涼介「ワイルド・ソウル」を，家で晩飯を作りながら，食べながら，そして食べ終わっても読み続け，外が明るくなり始める頃までかかって読み切ってしまった。「オズヌ」も今野敏らしい佳作で楽しめたが，後者は大傑作だった。高村薫「李歐」を髣髴とさせるピカレスク・ロマンを堪能した。今年の作品では，篠田節子「コンタクト・ゾーン」に匹敵する自然の過酷さと歴史の重みとスピード感とサスペンス，そして強靭な魂が溢れていた。しかも中心となる１つの太いストーリーが，きちんと起承転結してくれる。構成としては古典的とも言えるが，その分，物語世界に浸れる。「午前三時のルースター」もそうだったが，緻密な情景描写が鮮烈なイメージを形作り，それが脳裏に焼き付いて後々まで離れない。エピローグで２人の周りに広がる赤茶けただだっ広い大地の様子が目に見えるようだ。ニッケイ新聞（日系新聞？）の書評。
考えてみれば昼飯の暇もなかったので，晩飯を，山口駅そばのアーケードにあってずっと気になっていた「八屋」というラーメン屋でとることにした。店に入ってみると，19:00過ぎという夕食時だというのに，自分以外にまったく客がいなかったのでちょっと不安になったのだが，ともかく店の看板商品らしい「八屋らーめん」（880円）と，おにぎり（80円）の食券を買って，カウンターの中にいる店の人に渡した。5分ほど待っただろうか。「お待ちどうさま」の声とともに，チャーシュー３枚，刻み葱，メンマ，ゆで卵，等々，実に美味そうな具が山盛りのらーめんが出てきた。やや細めの麺も腰があるというのか，美味だったし，東日本風の醤油スープは飲んでもおいしかった。コゲという脂っぽいものと一緒に，自家製の生とうがらしとニンニクを刻んだものというのが小さい皿に載って出てくるのだが，これをスープにちょっと混ぜて，酢を垂らして飲んだら（そういう飲み方の薦めが店内に書かれている），まさに絶品という他はなかった。ささやかな幸せ。こんなに美味な店で何故閑古鳥が鳴いているのかと不思議だったが，理由の１つは駐車場がないことだと思うけれど，googleで検索してみたら，春頃は接客が悪かったらしいことがわかった。折角美味な店なので，潰れないで欲しいと思う。ちなみに，おにぎりも80円とは思えない，質のいい鮭が入っていて，米も美味だった。まあ，多少，昼抜きで空腹だったためのバイアスがかかっているかもしれないが。
大学に着くと，某締め切り過ぎ抄録原稿の督促状がFAXで届いていたので，早速電話をして許してもらった。が，やはり今日中には送らないとまずいだろう。昼間は学生の統計相談やら卒業研究やらで忙しく，夕方になってやっと完成した。そこへ電話がかかってきて，過日渡した重要なフロッピーがなくなったからもう一度欲しいと言われるので，それを持って行ってから，中央郵便局にまで足を伸ばし，簡易書留で件の原稿を送り出した。やっと肩の荷がおりた。まだまだ仕事は溜まっているが。
山口駅で新幹線回数券を買おうと思ったら，西日本でも駄目なのだそうだ。山陽新幹線区間だけの回数券は，10月1日からしか売ってくれないらしい。窓口で困った顔をしていたら，指定席予約だけ先にやってくれた。へぇ，こういうこともできるのか。10月になってから山口駅窓口に行って回数券を買えば，今取りおいてくれた指定券をくれるのだそうだ。2日の乗車直前に行くしかないのがちょっと不安だが，悪くはない。新大阪から長野までのバスチケットの発券と支払いはローソンでできるので，長野に行くとき，新山口から新大阪までの新幹線回数券を使うのは，わりと便利だ。
たぶん5時間くらいは眠ったと思う。「サンライズ瀬戸」が定刻どおり岡山に着くと，いつものように新幹線乗り換え口のそばにある「吉備」という立ち食いうどん屋（といっても椅子席もあるが）で朝食。6:27くらいに入った時点で先客はいなかったが，肉うどんとおにぎりを食べ始めてすぐに店内が客で溢れかえった。きっと，「サンライズ瀬戸」が着いて５分後くらいに着く電車があるのだろう。「ラ王」のTVコマーシャルに出てくるような大層な名前はついていないと思うけれど，「吉備」のおばちゃんのお湯切りの手際はなかなかのもので，肉うどんもとっても美味だ。大量に入っている浅葱も牛肉もコストパフォーマンスの高さを感じさせて嬉しいが，何よりうどんがうまいと思う。1995年にソロモン諸島のキタノメンダナホテルで食べて以来，時折無性に肉うどんとおにぎりというメニューが恋しくなることがあって，サンライズで岡山乗換えするときは，ほぼ必ず「吉備」の肉うどんとおにぎりを食べてしまう。もちろんメンダナホテルよりも「吉備」の方がずっと美味だが。
JOICFPの会議は予定通りに進んだ。自分の発表も含めて４つも報告を聞くとお腹一杯という感じだが。終了後，市ヶ谷駅で新大阪と新山口（10月からの小郡駅の新しい駅名）間の新幹線回数券を買おうと思ったが，少なくともJR東日本では売られていないらしい。仕方ないので，小郡駅で明日買うことにしよう。本当は締め切り過ぎの原稿の続きをしなくてはいけないのだが，「サンライズ瀬戸」に乗る前につい買ってしまった吉村達也「トンネル」を読破。ちょうど0:00だった。逆ネズミ算は当たり前のことなのでちっとも怖くなかったし，それに恐怖を感じているらしい登場人物たちが不自然に思われた。B級スプラッタ的な描写はうまくはまっていたし，面白い仕掛けもあったのだが。これから原稿作成の続き。
新幹線の中でプレゼンテーションを作り続け，新富士を通過した辺りで完成した。相変わらずの滑り込みセーフ。PHSがメール受信中に「メモリがいっぱいです」というので，何かと思ったら，このところ東大からの転送メールに多く見つかっていたWorm/Gibe.C.1が，とうとうメインのアドレスにもやってきたようだ。本格的にフィルタリングを考えるか？
とっくに締め切りを過ぎた原稿をまだ作っているのだが，書類を提出に行ったついでに，事務室のコンピュータへのDVDマルチドライブ取り付け作業をしたら，１時間以上かかってしまった。敗因は，コンピュータの筐体がCompaqのサーバ用のものを流用していた点にあった。ドライブ取り付け部分のネジや金具が普通のものと違うのである。いくら扱いやすく作られていても，これではかえって時間がかかる。これから東京へ向かう。
３つ続きの会議が終わったら16:00を過ぎていた。これから昼食の予定。疲れた。が，まだまだ締め切りすぎ／近い仕事が山積みである。明日夜の発表準備は新幹線の中でやるしかあるまい。
火曜深夜のちくま号で新大阪へ。後期の講義は木曜５コマ目まであるので，ちくま号に乗る機会も減るなあと思っていたら，今度の10月1日のダイヤ改正でちくま号は消滅するそうなので，今日がちくま号に乗る最終回になる。この１年半，よく乗ったよなあ，としばし感慨に浸る。代わりに使う経路は３通りあるが，場合によって使い分けることになるだろう。しなの15号もなくなってしまったりすると，これまでも度々使ってきた，アルペン長野号（大阪と長野を結ぶ夜行バス）を使う経路だけになってしまうが，しなの15号はなくならないと信じたい。
新幹線の中と急行ちくま号の中でwebページはできたが，PHS接続で写真をアップロードするのは嫌なので，研究室に行ってからすることにした。長野に着くと雨が降っていて，少年野球の練習がなかったので，人口学会の大会報告ノートの形式的査読をして，編集委員長にメールで送信した。月曜も休暇をとって長野にいたら（運動会の代休ということで小学校は休みだったが，息子も娘も児童センターに行ってくれたので中国と日本の高齢者の比較研究のデータ解析をしていたのだが），大学院長から電話があって，大学院教授会で議題にするための大学院論集の投稿規定などの最終訂正をしておかなければならなかったことがわかったので，大急ぎで仕上げてメールで送った。データ解析も夕方までに仕上げて，結果をメールで送った。せっかく写真を送らずにいたのだけれど，これらのデータ送信でPHS接続を長時間使ったので，あまり節約はできなかったかもしれない。やはりADSLが必要かも。秋分の日の火曜日はいい天気だったので息子の少年野球の練習に付き合い，その後多少は既に提出期限を過ぎている某原稿作成のための分析もしたのだが捗らず。家事もいろいろしたので仕方ないか。
一応web用だけれど，後で印刷することもあるかもしれないというので，35mmフィルムとデジカメの両方で撮っておくことにした。郵便物などの処理ができないままに金曜日が終わり，土曜は昨日作りすぎたおかず（豚肉とナスとシシトウをごま油で炒めて醤油と生姜で味付けしたものと，トマトとキュウリとナスとシシトウを刻んで塩で揉んだもの）の残りを全部食べ，炊きすぎたご飯の残りを冷凍庫にぶちこんでから，8:50に講堂に集合した。ひたすら写真を撮り，時々質問をした（細かく突っ込もうと思えばいくらでもできるが，たぶんそういう会ではないので，なるべく控えて，誰も質問する人がいないときだけした）。終わってから研究室に戻ってデジカメ写真をX22に転送した。本当は今webページを作ってしまえば楽なんだが，あと１時間で長野に向かわねばならないので，新幹線でやろうと思う。
金曜日は洗濯をしてパンをかじって炊飯予約をして9:00出勤。朝からいくつかの会議が突然入って忙しい。卒業研究の学生も来る予定だし。雨は降りそうだし。明日の準備もしなくてはいけないし。写真係ということになっているのだが，どういう写真を撮ればいいのか，後で聞いてみなくては。
特色ある大学教育支援プログラム（いわゆる「教育トップ100」）が発表された。山口県立大学は選に漏れてしまったわけだが，やはり大学基準協会に加盟していなかったのがいけなかったのだろうか？
インドネシア行きの前後も出版社とやりとりを続けてきた「Rによる統計解析の基礎」は，今のところ10月2日配本，7日頃店頭に並ぶとメールで言われているのだが，まだその出版社の近刊予定一覧に載っていないのが不安。昨日見た表紙デザイン案は格好よかったけれど，きっとまだISBNがついていないのだろう。近刊予定一覧に入ったらリンクしようと思う。pLaTeX入稿（図はeps）で，全部メールでやりとりしたので，仕上がってから出版までが早すぎて，ISBNが後回しになってしまったのかもしれない。初版分の印税(*)は，半分はR Foundationに寄付して，残り半分はその本を買って，お世話になった各方面に謹呈する予定。
(*) といっても，印税は少なくていいから本の売値をできるだけ安く（1800円のはず）設定するように交渉したので，それほど多くはないが。
郵便物の中に，川端裕人が贈ってくれた「せちやん　星を聴く人」（講談社）が入っていたので，荷物整理が一段落つくと同時に読み始め，2:00頃読破してしまった。これは，これまでの川端作品よりもずっと余韻が深い。ストーリーは見事な円環をなし，そして閉じる。それなのにどうしようもなく悲しくなってしまうのは，なぜだろうか？　そこを狙って書いたのだとしたら，やられたとしか言いようがない巧さだと思う。
18:40頃着いた小郡駅のヴィ・ド・フランスでパンと野菜ジュースを買って晩飯にし，19:22の山口線に乗って山口で乗り継ぎ，宮野駅に辿りついたのは20:00近かった。研究室に着いて荷物整理や不在中の留守電や郵便物の整理を始めたら23:30を過ぎても終わらないので帰れない。
同じ新聞で阪神優勝の文字が踊っているのを見た直後，機内で上映されたニュース番組は３日ほど古かったので，連敗していて決められません，とアナウンスされるのが間抜けだった。ブロードバンドで動画を送ればいいのに。設備がないのか？
インドネシアからの帰りの飛行機で，久々に読んだ日本の新聞で，環境研の森田恒幸さんが亡くなっていたことを知った。地域環境や地球環境のモデリングだけでなく，フィールドの実情にも理解がある方だっただけに残念でならない。ご冥福をお祈りする。10月の追悼シンポジウムは行きたいが日程的にちょっと苦しいか。
東大に荷物を置いて1300通以上のメールを送受信し（約半分はウイルスまたはウイルスチェック報告だったし，受信したものへの返事まではできなかったが），調査行をアップロードしてから東京駅に向かい，新幹線に乗った。慌しかった。
やはり18日まで更新できなかった。調査行の詳細はSumba2003を参照されたい。
そういうわけで，このページは18日まで更新されない可能性が高い。
３日水曜日。長野駅で30分以上もかかってインドネシアから帰った後に必要な切符を３種類（東京から山口への片道，山口から長野への往復，山口から東京への往復）買ってから，大慌てで手土産を買い，あさま号に乗った。13:20頃東京大学の人類生態学教室に着いて，まず空港まで別送する分の荷造りをした。今回のインドネシアはホテル住まいだと思っていたので寝袋を持ってこなかったのだが，実は１週間ほど村暮らしをすることがわかり，寝袋は２つも要らないし，インドネシアは気温が高いというので，シュラフカバーを買ってくることにした（が，別送には間に合わないので，手で持っていく必要がある）。ついでに生家へ戻ってきたが，両親とも元気そうだった。池袋で無事にシュラフカバーを買ってから人類生態に戻り，まずはインドネシアで使うための記録用紙を作った。これまで打ち合わせにも来られなかったので仕方ないのだが，ぼくの仕事として残されていたのだ。その後，インドネシアに行く前に終えねばならない査読を終えてwebからsubmitし，仕事上必須のメールをいくつか打ったら，４日の4:00になっていた。7:10にはここを出て京成上野に向かうことになっているので，２時間程度の仮眠しかとれないが，仕方なかろう。尿検査の試験紙リーダーが重くてかさばるのを手持ちしなくてはいけないので，２時間の仮眠でも取っておく方がいいだろうと思う。
２日のうちに，かなり査読する論文を読み進めたのだが，終わらなかった。
Rについての解説ページがまた一つ。「伝道師」三中さんによるものなので，今後の拡充が楽しみである。
インドネシアに持っていく仕事が増えた（人口学会関係）。
川端裕人から届いたメールによると，約１年ぶりに新作「せちやん　星を聴く人」が出るとのこと。９月５日配本ということは，インドネシアに発つのが４日だから，持っていくのに間に合うかどうかは微妙なところだが，あの名作「夏のロケット」の「その後」を描いたという感じの作品らしいので，是非買いたいと思う。
民族衛生の申し込みは期限を１日過ぎてしまったが，許されるだろうか？　とりあえず送ってみようと思う。
9月になったということは，今年ももう３分の２が過ぎたということだ。先週金曜に人口学研究への投稿論文の直しを何とか終わり，筆頭著者に了解を求めておいたものの返事が来たので，編集長にメールで送信した。木曜のインドネシア行きの前に片付けておくべき大きな仕事はあと２つだが，間に合うだろうか。

それ以前のメモ

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