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【第1246回】 前期試験監督を了えたら,"Human Ecology: How Nature and Culture Shape Our World"が届いていた。復路は『ザ・万字固め』(文庫版)読了(2016年2月25日)
- 5:30起床。餅を2個電子レンジ加熱し,カッテージチーズを載せ,海苔で巻いて醤油を付けたもので朝食を済ませた。
- 可燃ゴミを出してから,名谷直通の始発バスで出勤。
- 夕方まで前期試験の監督をして,事務室に行ったら,Frederick Steiner (2016) "Human Ecology: How Nature and Culture Shape Our World", Island Press, ISBN 978-1-61091-738-4(Amazon | honto | e-hon)が届いていた。2002年にハードカバーで出版された本のペーパーバック版ということらしい。本書の著者であるSteinerはテキサス大学オースティン校の建築学研究科長で,都市計画とか景観設計とかが専門らしく,これまでぼくが読んできた生態学か人類学がベースになっている人類生態学のテキストとは若干毛色が違っている。人類学系の人類生態学で有名な本の中ではRappaportくらいしか引用されていない一方で,都市計画とか景観の分野の本が山ほど引用されている。
- 21:00頃研究室を出て,地下鉄を新長田で乗り換え,ハーバーランドから神戸駅に出て22:00頃のバスで帰宅。途中,万城目学『ザ・万字固め』文春文庫,ISBN 978-4-16-790553-8(Amazon | honto | e-hon)を読了。同名のハードカバーのエッセイ集(と言い切れるかどうかは,オビにもある通り,「衝撃の結末」からすると微妙……)が2013年に出ているが,文庫化とともに10篇が追加収録され,オビによると30%増量とのこと。笑わせて貰いつつ,エーゲ海の描写や遠投げの話などホロッとさせられる。名人芸である。偶々2010年秋に5000株もの東電株を買ってしまったため,2011年春に経験した大暴落と株主総会の見聞録である「やけどのあと」も,悲惨な話なのだが万城目節で書かれるとどことなくユーモアがあって救われる。京都大学卒だし,ホルモーやしゅららぼんのスケール感と馬鹿馬鹿しさ(注:もちろん褒め言葉)など,万城目さんは小松左京の再来だと勝手に思っているのだが,本書の「衝撃の結末」に至る助走のところで,筒井康隆「到着」とか稲垣足穂「一千一秒物語」への言及があって,ますますその感を強くした。なお,本書でまさしくエッセイとして語られる思い出話の中でも琴線に触れる点がたくさんあったのでメモしておく。
- 人骨の研究をするために8浪して東大に入った男の話は(natural-bornとnatural boneを掛けているのが本筋だが),東大でも京大でも理学部人類でも人骨の研究はできるはずだけれども,8浪というからには理科三類から医学科で解剖学教室かなあ(養老さんもそうだし,『日本人の骨』を書いた鈴木尚先生も解剖学教室だった……けれども,入試でまだ理科三類がなかった頃か……)と思ったが,Yahoo!知恵袋で,ベストアンサーになっている回答にその人の元同級生がそう証言していた。
- トモコ・トゥディーニの話は,いい話だ。
- 京都の喫茶「六花」には惹かれた。
- 『城崎裁判』読みたい。城崎温泉(外湯がメインだというのは恥ずかしながら知らなかった)に行かないと買えないというのがまたいい。伊丹空港からプロペラ機で飛んでいったそうだが,神戸からなら電車でもいいかなあ。
- やはり『とっぴんぱらりの風太郎』も読まねば。新作となるであろう『バベル九朔』も読まねば。
- 晩飯は成城石井で買ったパンとサラダ。
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