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【第302回】 マヒドン大学からTawee先生をお迎えしたが,まずは期末試験を済ませなくては(2020年2月3日)
- レトルトカレーとレトルトご飯と千切りキャベツで朝食。珈琲を淹れて水筒に詰めてから出発。
- 今月1ヶ月,マヒドン大学から寄生虫学(とくにマラリア)と医動物学の専門家であるTawee先生をお迎えしている。事務手続きと研究科長への紹介はできたが,3限の期末試験を済ませるまでは時間が無いので,共同研究とかセミナーとかの詳しい打ち合わせはまだできない。
- fmsbが物理教育の論文に引用されていた。radarchart()関数。
- 感染症学会が1月29日付けで新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症への対応についてという文書を出している。感染症の専門家である会員に冷静な対応を求めるメッセージ。
- Lancetに1月30日付けで載っている2019-nCoVのゲノム解析の論文はわかりやすい。
- 今朝のテレビニュースで話題になっていたフェイクニュースや不正確な情報に伴うパニックや差別や偏見の件,BMJに1月31日付けで載っている2つのOpinionでも取り上げられていた(Coronavirus -- we need to contain the parallel epidemics of xenophobia and misinformationとIs reporting of the coronavirus producing viral panic?)から,日本だけの問題ではない。
- AFPのニュースはソマリアの国家非常事態宣言にフォーカスしたものだったが(FAOのニュースリリースを受けて),FAOのLocust Watchと,そこに1月28日付けで掲載された地図によると,ケニア,エチオピア,インドとパキスタンの国境などでも大きな被害をもたらしているサバクトビバッタの大発生は,思っていた以上に大規模で,ソマリアだけの問題ではなかった。国際保健的には,これも大問題。
- 『Rで学ぶ人口分析(仮)』について出版社から連絡があり,2月にはと言われていたゲラができあがるのが遅れていて,3月になるとのこと。最終稿を出してから何ヶ月も経つので,著者としては内容をアップデートしたくなるが,それもゲラが来てからになるのか。非効率な気もするが仕方ないか。
- 中国以外での死者がまだ出ていないからと言って,病原性が高いのは中国固有の事情と判断することは(そういう言説を流している医師が散見されるが),まだできない。中国でも初の死者が出たのは1月11日のことで,当時の確定診断がついた患者数は41人だったので,CFRが2~3%という推定値と矛盾していないし,それは初発報告から10日以上経ってからのことだった。感染者が何十人というレベルに到達した国はまだ中国以外に無いし,国内二次感染者が出てから10日以上経った国もないので,日本で治療してもCFRが2~3%である可能性は,まだ否定できない(CFRが3%だとしても,20人中1人も死亡しない確率は18.3%ある)。先日書いた通り,この値はエボラやSARSよりずっと小さいが,季節性インフルエンザのCFRより2桁大きく,スペイン風邪レベルなので,決して病原性が弱いとは言えない(風邪の原因となるタイプのコロナウイルスとは全然違う。Lancetのゲノム解析論文の結果から見ても,遺伝的にはSARSコロナウイルスに近い)。
- いろいろ気になることはあるが,とりあえずこれから1コマは期末試験の監督をしてくる。既に事情により追試を受ける学生が1人いることは確定しているので,もう1パタン,問題を作らなくてはいけないのが辛い。
- Johns Hopkinsのサイトがアクセスできなくなっている。代わりになりそうな患者数の時空間分布情報はEuropean Center for Disease Control and Prevention (ECDC)のページが見やすいように思う。WHOが毎日出している状況報告(リンク先は昨日付のもの)も参考になる。
- LIFEで食材を買って22:30頃に帰宅し,レトルト麦ご飯にイカ松前と豆腐を載せて晩飯。眠ったのは日付が変わってからだった。
(list)
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