最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
生殖医療のすべて | 丸善ライブラリー |
著者 | 出版年 |
堤 治 | 1999 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
同じ生殖医療・不妊治療を専門としながら,石原 理「生殖革命」(ちくま新書)とは対照的な本である。著者の堤氏は東大産婦人科の臨床医であるが,妊娠のしやすさの年齢の効果の調査もしており,不妊が起こる原因を究明してそれを取り除くという態度が科学的である。
本書も生殖の生物学的メカニズムの基本的な記載からそのうちどこが欠けると不妊になるのか,それにはどのような対処の選択肢があるのか,ということが順序よく書かれており,「生殖革命」に比べると思い入れに過ぎるところがない。「おわりに」に書かれている著者の謙虚な姿勢からもたらされたものと思うが,好感がもてた。