最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
Cの福音 | 宝島社文庫 |
著者 | 出版年 |
楡周平 | 1998 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
犯罪小説である。主人公,恭介の人物像の魅力とアクション描写のスピード感で読ませる。時間つぶしくらいにはなる。
とはいえ,引っかかる人には駄目だろうなぁ,これ。
ファルージオの組織にしても恭介のネットワークにしても危うすぎて,とても現実には引き合うものではない。また,1996年に書かれたものにしては国際電話を使いすぎと思う。FAXとMacを並べて置くとか,Macでハイパーカードでデータ管理をするというのはあまりに陳腐で,アメリカの一流大学でstraight Aの奴がやることとは思えない。作者のネットワークやコンピュータに関する知識の不足を感じる。
最大の疑問。恭介の大学での専攻はなんだったのだろう? まさか語学だけやってたわけではあるまいに。
解説の郷原さん,ほめすぎでは?
山下 <ppp16123.win.or.jp>
私も全く「駄目」でした。
この10年間で読んできた中でも最悪の小説といっても過言ではないでしょう。
読後ここまで落胆と怒りを感じたのは本当に久しぶりです。
中澤さんのご指摘のディティールのまずさはいうにおよばず、まず小説の命ともいえる「お話」が全く駄目ですね。
感じたままにいうならば、全体を10としたら、前置き9、くくり1、そして中核0ということですね。
確かに、解説の郷原さん、めちゃめちゃほめすぎです!!