最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
野生の風 | 集英社文庫 |
著者 | 出版年 |
村山由佳 | 1998 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
著者の村山由佳さんを,下のWEBページの「1964」で取り上げたので,1冊くらい読んでみようと思って,最近文庫落ちしたこの作品を読んでみた。
これは恋愛小説である。恋愛の「どうしようもなさ」を描き出すのには,成功していると思う。また,アフリカの描写がすぐれている。夜中に出くわすゾウの目なんか,映像が浮かんでくるほどである。解説で伊集院静氏が指摘しているように,飛び散るような色彩イメージが目の裏側に浮かんでくるようである。
ただ,ぼくの好みからすると,若干説明過多である。「泣き上手なほうが,女は幸せになれる。」とか「どんなに悲しいことがあろうと,人は永遠に泣き続けることはできない。」なんて陳腐なaphorismは,ない方が文章が美しくなるのではなかろうか。あと,本筋とは関係ないけど,「学者」への偏見はなんとかして欲しい。一馬のキャラクタ描写の上での計算だとしたら降参するが。
かずちゃん <>
「野生の風」前にも1回読んでもう一度読もうかなっと思って今読んでます。この作品を読んでるとその情景が頭の中で広がってってっとてもリラックスな気分になれます。