最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
現代<死語>ノート | 岩波新書 |
著者 | 出版年 |
小林信彦 | 1997 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
著者自身のあとがきとも言える「つけくわえておきたいこと」によれば,<死語>による戦後史の描写を狙った本であり,まさにその通りの内容である。由来を知らない言葉を使うのが恐くなると同時に,この言葉はこの時から使われはじめたのか,と雑学知識欲が満たされること必至である(ティーチ・インとかマッチポンプとか)。「いえてる」とか「わるのり」とかは死語ではないと思うけど,どうなのだろう。「アングラ」みたいに別の意味をもって甦る言葉もあるし。「<ある言葉が死語であるかどうか>の判定は,微妙な言語感覚を要するので,学者やブッキッシュな人たちがすることではないと思う」という記述からすると小林さんは自信がありそうだけど,根拠は今ひとつ不明である。
むしろ,本書は,死語の認定そのものよりも,戦後史に対する直接観察者からの首尾一貫した見方を提供している点ですぐれていると思う。
ぼくは10年ほど前,学生だった頃にクレージー映画をオールナイトでやっていた浅草東宝に毎週末通っていたので,クレージーキャッツがらみの話も楽しい。小林信彦さんによるエンターテインメント史としては新潮文庫の「日本の喜劇人」の方が詳しいようだが,流行語を年代順に追うことで,実に生き生きと時代の空気が感じられるものができあがっている。
E. Shioda <ppp948.st.rim.or.jp> website
書名しかメモしていなかったので感想などは書けないのですが、たしかまだ出版
から二、三年しか経過していない本で、死語に関するものがありました。「死語コレクション」講談社現代新書1304 水原明人著
ご参考までに。