最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
バービーはなぜ殺される | 創元SF文庫 |
著者 | 出版年 |
ジョン・ヴァーリイ(浅倉久志,他訳) | 1987(1998再版) |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
ローカス賞を受賞した表題作などからなる短編集。
長い間入手困難だったが最近再版され,ぜひ読むべきだという話を聞いたので読んでみた。論理で理解しようと思うと多大な苦難に出会う(時間もかかる)が,わからなさ具合が気持ちよいのが麻薬的である。現実が確固たるものだということが思いこみに過ぎないことを思い起こさせてくれる。道具立てとしては身体改造やクローンや妙な機械が普通に使われ宇宙を飛び回るのが当たり前というSFSFした世界だが,ハードSFでもなければスペースオペラでもなく,そうした世界に住む人の心(とその成長?)を描こうとしているように感じる。
なんだかちっとも「書評」はできたような気がしないのだが,ぼくが好きなのは表題作と「イークイノックスはいずこに」である。