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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『グリム・アンデルセンの罪深い姫の物語』

書名出版社
グリム・アンデルセンの罪深い姫の物語角川書店
著者出版年
松本侑子1999(改題:文庫版)



Jun 29 (tue), 1999, 14:39

E. Shioda <0.pool17.tokyo.att.ne.jp> website

桐生操作品が盗作ではないかと、再び話題となった松本作品。発行は1996年だ
が、その作品から少しは文章表現が変化しているらしいので盗作問題に関心の
ある方は1996年の「罪深い姫のおとぎ話」を参照されたほうがよい。

眠り姫、白雪姫、赤ずきん、シンデレラ、青ひげ、人魚姫、マッチ売りの少女
の7点が取り上げられ、原典を慎重にふまえた上で新解釈や史実を加えながら
小説としてしあげられている。ときとして登場人物に史実を語らせもする。

シンデレラと中国の纏足、王子は靴フェチ、また白雪姫に出てくる王子は死体
フェチ……こう書いてしまうと妙に俗っぽい印象を与えてしまいかねないが、
松本作品は文章が格調高く、嫌らしさを感じさせない。


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