最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
美神解体 | 角川ホラー文庫 |
著者 | 出版年 |
篠田節子 | 1995(初出は1994年「小説王」掲載) |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
語りが達者なので読まされてしまうが,普通の人には起こり得ない心の闇を描いているので,徹頭徹尾「他人事」に過ぎず,怖くない。面白いと言えば面白いのだが,物足りないのである。以下ネタばれのため改行。
徹底的に堕ちることによって過去の自分の心を清算し,再生を果たすヒロイン麗子は,逞しい。もしかすると,この作品で篠田さんが書きたかったのは,麗子の逞しさなのかもしれない。