最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
旅と道具 豊かな旅を創るハードとソフト | 朝日文庫 |
著者 | 出版年 |
佐貫亦男 | 1999(1994年に出た単行書を再編集したもの) |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
著者は既に故人である。第二次世界大戦中にヨーロッパを旅したこともある,猛者である。新田次郎さんとともにアルプを歩き,戦中のスイスで現在の金にして500万円という金を2週間で使い果たしてもいい,というような豪遊をする。この辺りの昔話が面白い。
言葉こそが最大の武器だとかいった,ソフトの方はかなり現在にも通用すると思うが,ハードの方は最新の便利なものには触れられていないのが物足りない(デジカメとか)。航空宇宙評論家として活躍していただけに,ハードへのこだわりは並々ならぬ点があるだけに,今日性が足りないのが惜しい。それでも,キャスターは機内持ち込みしろ,とか,下着は3組だけもっていって洗って使え,とか,ぼくの経験上も正しい意見が多くて感心した(なんか,偉そうな批評だけれど)。一点だけ同意できないのはスイスアーミーナイフに鋏が必要ないというところ。ぼくの経験上,鋏は結構役に立つ。もっとも行き先の違いのせいかもしれないが。