最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
夏と花火と私の死体 | |
著者 | 出版年 |
乙一 |
KAZU <intpro.hbi.ne.jp> website
花火大会も間近、夏。幼い兄妹のもとには隠し通さなければいけない死体が一体。その死体「わたし」が、夏の日の兄妹の冒険を語っていく。
ジャンルを規定しなければならないとすればホラーサスペンスといったところなのだろうが、
少年時代、花火、夏。
そんなアイテムによって、どこかノスタルジックな雰囲気も漂わせている。この物語の語り手である「わたし」は始まってすぐ友達によって殺されてしまう。しかし、これが不思議なことに、「わたし」が死んでしまう前と死んでしまった後の語りはごくごく自然に引き継がれそのことによって物語のターニングポイントであるという感じを感じさせない。「死んだ」という出来事はただの「事象」でしかないようだ。
小説そのものは非常に短い。薄い文庫本のさらに半分程度しかない。
なので、これ以上書いてしまうとネタばれも甚だしいといった感じになってしまいかねないので、あとは読んでみて欲しいとそれぐらいしか私には言えないのだが。