最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
トマトが野菜になった日 | 草思社 |
著者 | 出版年 |
橘みのり | 1999年 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
中南米原産のトマトが,いかにしてこれほどポピュラーな野菜として世界中で食べられるようになったかを追った,渾身のルポ。中南米の原産地を実際に駆け回って取材した部分が迫力がある。「絶対音感」と同じく素人にしては良く詰めてあると思うが,結局は「よくわからない」で終わっている部分が多いのがやや残念。とはいえ,トマトが良く育った南仏やイタリアでは簡単に受け入れられて食べられるようになったのに,育たないイギリスや北仏では「毒がある」と信じられることが長かったという記載は,現代の都市住民にとって生産の現場が遠くなってしまっていることや,感覚的なGMOへのアンティパシーを考えると,示唆に富んでいる。