最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
「捨てる!」技術 | 宝島社新書 |
著者 | 出版年 |
辰巳渚 | 2000 |
徒然三十郎 <snjk036k016.ppp.infoweb.ne.jp>
本書の目次は次のとおりです。
はじめに-モノの増殖をとどめるために
序章 ”捨てられない”のは何? そしてなぜ?
第1章 これであなたも捨てられる 捨てるための考え方10か条
第2章 さあ捨てよう! テクニック10か条
第3章 より気持ちよく”捨てる”ための捨て方
あとがき序章と第1章は”捨てる”をキーワードに人間の性質をコミカルに描いていて楽しく読めます。第2章は反復が多くてやや退屈です。”テクニック”として読者に共通してあてはまるようなものはごく限られているのでしょう。第3章はリサイクルの話に重点がおかれていて、通常の”捨てる”概念からやや遊離しているように思えます。
これら4つの章の前後で著者は新たな消費のために捨てるというスタンスを明らかにしているのですが、このスタンスが貫かれているとはいいがたく、捨てること自体が目的と化しているのではないかという疑念もわいてきます。
haijin <p84e940.chi5.ap.so-net.ne.jp>
「背中を押してくれた」本です。でも場所が悪かった。断崖絶壁や駅のホームで背中を押されてしまいました。「いつか」は来ないという主張には一理あります。でも一理しかありません。「しまった」ですむものならいいでしょうが、そんなに空間を広げることに意味があるのでしょうか?「ウサギ小屋」に住み慣れてしまった日本人にとって精神衛生上、また知的生産を目指しているものにはやはり捨てられないものがあるのです。死後思い出深いものはみんなゴミになる。確かにそうです。しかし、死後にまでなぜそれほど気を遣う必要があるのでしょう。この本で救われる方も多いでしょうが、ミスリードされる人間もいることでしょう。